WWNウエルネス通信 (2026年7月12日):「歩いたほとぼり」について考えてみた

先週水曜日のウォーク(ゆかりウォーク:江戸四日めぐり最終回、馬喰町~木場)は、暑かった。集合場所は、地下鉄改札口前(構内)だったので気がつかなかったのだけれど、地上に出て10分ほどの両国橋を渡るころには、川風を涼しく感じるほどに汗ばんでいた。回向院から永代橋までは、隅田川沿いとはいえ両側を建物に挟まれたアスファルトの道で、川岸の涼を感じるわけではない。最高気温は30度程度で、カンカン照りというわけではなかったけれど、じわじわとむしばむような暑さ。永代通りに出たころには、ほとんどの参加者がバテているように見受けられた。

ゴール地点では、

「歩いたほとぼりが残っていますので、しっかりと冷ましてください」

と挨拶した。

なにげなく口から出た言葉だったのだけれど、「ほとぼり」という語の使い方は正しかったのだろうかと気になり、帰宅後に調べてみた。それまで私も知らなかったのだが、「ほとぼり」という日本語には「熱」という漢字が当てられていて、「熱り」と表すようだ。

それはさておき、運動して筋肉を働かせると、熱が産まれる。ウォーキングで発生する熱量はランニングなどに比べて少ないとはいえ、安静状態の3~4倍にも達する。でもこれは「全身」のエネルギー代謝の総量なのであり、使われている筋肉だけに限れば、安静状態の10倍以上の熱産生であり、局所での温度は40度を上回ることは確実だ。発生した熱は、血液を介して直ちに冷まされることになるが、その結果として、歩き始めて5分ほどで血液が温まり始め、15分もすると寒い冬でもぽかぽかとしてくるほどに温まってくる。その総量が「安静状態の3~4倍」というわけ。冬ならば「ぽかぽか」で済むが、暑い夏には、その熱を体外に逃さなければならなくなって、歩き始めの(血液が温まり始める)段階から汗がでてくる。

もちろん、そんなことは誰もが知っていることだから、わざわざ私が語る必要はない。ここで述べたいことは、歩き終わった後も筋肉には熱が溜まっているということ。それを「ほとぼり」という語で表したのだけれど、それまでそのような語を使ったことが無くて、口走った後で、「正しい表現だったのか?」と不安に感じたのだった。

考えてみれば「ほとぼりを冷ます」という言い回しは、たいていの場合は比喩として使うので、食べ物などの熱い状態を指して「ほとぼり」と表現することはあまりないようだ。でも、「身体の火照り」という語もあるので、身体が熱くなった状態を「ほとぼり」と表現した私の用法は、あながち間違ってはいないように思う。

運動の前後で「ウォームアップ」とか「クールダウン」という言葉を使うことがあるが、寒い時のウォームアップはまだしも、「クールダウン」を意識する方はあまり多くはなかろう。歩きながら汗だくになるような暑い夏には、歩き終わって休んでいても汗が止まらないこともある。これは、筋肉で発した熱を少しずつ外に逃がすための生理反応で、「ほとぼりが冷める」まで続く。

この時の筋肉の状態をたとえるならば、「テーブルに出てきた鉄板焼きの肉がジュージューと音を立てている状態」とでも言えるだろうか(ちょっと言い過ぎだけど)。歩くのを止めたら「発熱」は治まるものの、まだ冷めてはいないのだ。

夏のウォークでは、「クールダウン」にも意識を向けていきたい。

Wasedaウェルネスネットワーク会長・中村好男

http://wasedawellness.com/

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