本日、雨の中、来月のゆかりウォークのコース「江戸見物四日めぐり~馬喰町から山王神社まで」を歩いた。
元ネタの「江戸見物四日めぐり」とは、今年のNHK大河ドラマ「べらぼう」で風間俊介が演じる鶴屋喜右衛門(蔦谷重三郎のライバル)が版元として刊行した、いわば「江戸の観光ガイド」である。スタート地点の「馬喰町」は、地方から上京する人々が宿泊する旅籠が集まった街で、その馬喰町を起点として、東西南北各1日ずつ、四日間で見て歩く場合の江戸名所とその道順が記されている。
来月行う予定の第一回は、「馬喰町より南の方」のコースの前半であり、馬喰町から日本橋を経て江戸城に至り、和田倉門から桜田門と抜けて、霞が関を経て山王御社へと向かう。
ということで、馬喰町駅から地上に出たものの、現在の馬喰町には、とても旅館街としての当時の面影はない。谷口さんから「小伝馬町二丁目と一丁目の間の横丁を左へ行く…」と言われても、傘をさしている手で切絵図と現在地図をめくるのに難儀して、一向に土地勘がつかめない。
と、最初に止まって紹介された「案内板」が《蔦屋重三郎「耕書堂」跡》。
そこは、当時はとても賑わっていた通油(とおりあぶら)町で、蔦屋重三郎が浅草から日本橋に「耕書堂」を移転した場所とのこと。そして、その向かいに、蔦屋のライバルである「鶴屋喜右衛門」が店を開いていたとの説明だった。
大河ドラマの「べらぼう」で、蔦屋が日本橋に移ってくるのは、次回「6月15日」のことなので、その中でどのように語られるのかは(まだわからないから)とても興味深いのだけれど、通りを挟んだ向かい同士で「つぶし合い」のような戦いが繰り広げられていたのかと思うと、ワクワクを通り越してハラハラ感が湧き上がってくる。
そして、今日の私は、その「鶴屋喜右衛門」が刊行した「江戸見物四日めぐり」を見ながら、200年近く前の江戸見物の道筋をなぞっているのだ。
それはさておき、現代の外堀通り(呉服橋)を渡ってかつての「呉服橋御門」を入って左に進むと、「北町奉行所」の跡地に出会う。その角を右に曲がって東京駅構内に入ると、右手(北町奉行所跡地)に「北町酒場」の看板。おそらくは、そこが「北町奉行所」だったことを意識した命名なのかと勘繰る。さらに進むと「B1F黒塀横丁/2F北町酒場」とある。駅構内の飲食店街のようなのだが、「四日めぐり」の解説では「両側御大名御屋敷なり」と書いてある通りなので、もしかしたら、江戸時代を思い起こした命名なのだろうと感心した。
そんなこんなで、「江戸時代の光景」を思い浮かべながらのウォークも楽しいものだと、あらためて感じ入った次第です。
この「ゆかりウォーク」は、来月(7月)9日に行いますので、乞うご期待。
集合は「馬喰横山駅A1方向改札」です。
Wasedaウェルネスネットワーク会長・中村好男