WWNウエルネス通信 (2025年3月31日):那須で見つけたお好み焼き屋~その1:重症筋無力症~

昨日、那須別荘近くの「お好み焼き屋」で遅い昼食を摂った。

14時過ぎでも空いている店をGoogle Mapで探して偶然見つけた初めての店。

15時近くで駐車場にも車がなく、恐る恐る入っていくと、困惑した様子の女性が出てきた。

 「食事できますか?」

と尋ねると、

 「主人が出かけていて今から呼んでも15分ほどかかる」

という。それでも、他にあてもないので待つことにした。

 待っている間に、広くない店内の隙間に所狭しと並ぶ様々な家具調度や小物雑貨類を見学。

そうこうしているうちにマスターが到着したので、調理台を挟んだカウンターに座って注文。調理を待ちながら、いろいろな話を伺う。

なんでも、大卒後は商社に勤めて海外勤務も長かったとのことで、独立して神戸で輸入家具屋を経営。そこを息子に任せてご本人は那須街道沿いに輸入家具・雑貨店を開いているのだという。そのバックヤードの倉庫として、この土地建物(ゲストハウスやテニスコートと農園も含む)を見つけて購入したとのこと。「せっかくなので何かやろう」と、神戸の知り合いのお好み焼き屋からノウハウを仕入れて開業したのだという。

カフェ&スウィーツ、インテリア雑貨ショップ、神戸風お好み焼きレストランが入るメインの洋館に加えて、宿泊施設(ゲストハウス)とテニスコート(オムニ2面)、さらには農園(那須高原茶・ラズベリー等)も備えた「那須高原コミュニティスポット・セターブル」としてグランドオープンしたのは2023年1月。だが、那須のガイドでも全く宣伝しておらず、私は今まで全く気付かなかった。

 お好み焼き~そば焼き~ネギ焼と、一枚ずつマスターが焼きながら、そして私たちは食べながら話は次々と進む。マスターは御年72歳。

 「那須は何でもあって便利ですね」

とおっしゃるので、

 「何が一番便利ですか?」

と尋ねると、

 「病院かな」

と言う。私は病院にはほとんど興味はなかったが、そういえば昨年夏にお世話になったっけ。確かに、人口の割に、近隣には病院がたくさんあるような気がする。

 「妻がすい臓がんでして、私は重症筋無力症」

と、さらりと言う。

 「ジュウショウ??キンムリョクショウ?」

と、初めて聞く言葉を聞き返した。

 「国の指定難病で、ステロイドで治療してます」

とのこと。でも、その治療は、月に一回ほど神戸に帰って受けるのだという。

 家に戻って調べてみると、重症筋無力症とは、「眼球や手足の筋肉を繰り返し動かしていると筋肉がすぐに疲れて、力が入らなくなる病気」とのこと。件のマスターの場合は「運転中に目が突然見えなくなったことから発覚した」ということで、手足には症状が及んでいないようだ。現在日本には3万人弱の患者がいるらしい。

 それにしても、お好み焼きを焼くだけでなく、もちろん仕入れの買い物も(家具屋の経営も)さることながら、ご自身がチェーンソーを使って切り倒した原木からストーブの薪を調達しているとのことで、どれだけ精力的に生活しているのかと、呆然と話に聞き入った。

(続)

Wasedaウェルネスネットワーク会長・中村好男

http://wasedawellness.com/

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