WWNウエルネス通信 (2024年1月11日):「スマートウォッチ」を使っています

じつは、11月下旬から、スマートウォッチを着用している。

スマートウォッチとは、腕時計型のスマホとでも呼べばよいだろうか。

といっても、スマホに取って代わるものではなく、所有しているスマホと連携して機能拡張を果たしているといった方が良いかもしれない。ポケットやカバンの中のスマホを取り出さずに電話やメッセージをやり取りできるとか、手首に接するセンサから心拍や血圧などの生体情報を検知するとか、スマホ単体ではできないことを可能にする。

 私は、日常の歩数や身体活動量、睡眠状態などの健康管理モニタとしての機能を体験したくて、装着を始めた。歩数や歩行距離(消費カロリ)、心拍数、睡眠状況(時間・深度)が毎日記録されている。その他にも様々なデータを計測管理することができるのだけれど、体温や血圧は必要に応じて計測するものの、それ以外の項目は計測さえしていない。

 ひと月ほど経過して分かったことは、歩数や歩行距離を毎日記録したとしても、「ああこの日はここを歩いたのだったなぁ」などと思い出に浸るため以外には活用しないのだということ。心拍数も、一か月間ほとんど安静域(60~100拍/分)なので、私のような日常を過ごしている限りは、あまり必要がないということも分かった。

 さて、この間、最も注目していたのが「睡眠状況」である。

睡眠記録は、11月27日(前日就寝時から朝まで)のデータから毎日記録が続いている。

使ってみて驚いたのが、「ちゃんと測れるのかどうか」を確認しているだけのつもりなのに、睡眠が深くなって夜中に目覚めにくくなったということ。ついでに朝方に目が冴えてしまうこともほとんどなくなった(朝寝坊ができるようになった)。

 歩数計をつけると、装着しているだけで歩数が増えるという現象(歩数計効果)があるが、いってみれば「睡眠モニタ効果」があるのかもしれない。

 それはさておき、手首に巻いただけのスマートウォッチ(以下《時計》)がなぜ睡眠の時間や深さを計測できるのか?

 使っているセンサは、加速度と心拍の二つ。「寝ている間は動かない」という原理に基づいて、「動きがない」=「寝ている」と判断する根拠となるらしい。「らしい」と言ったのは、「動きがない」といっても、私がこうしてパソコンで作業している間も、手首はほとんど動かないからだ。反対に、寝ていても寝返りすることだってあるだろうし、手が動くことだってあるだろう。そのあいまいさを補強するのが「心拍」のデータ。寝ているときは副交感神経が優位になるので、心拍数が低下するとともに一拍ごとの変動幅が大きくなる。この二つを総合的に評価して、熟睡/浅睡眠/REM睡眠/覚醒の4つの状態が区別されているのだ。この加速度と心拍の2つの信号処理だけでかなりの精度が達成されるらしい。

 それと、面白いのは、「就寝」と「起床」の判断。

ある日、起床から15分ほどたった洗顔後にふと《時計》を見てみたら、まだ「睡眠中」となっていたのだ。夜中にトイレに目覚めても、一時的な「覚醒」として時間をカウントして、その後ベッドに戻ったのちには「睡眠」として計測を続けるわけだし、私が歯を磨いて顔を洗ったとしても、その後またベッドに戻るのか仕事に出かけるのかなどの区別を、手首のセンサが判断できるはずはない。結局、30分以上(1時間以内)たったある時点で、この《時計》は「睡眠が終了した」と判断して、動き始める直前の最後の睡眠時点に戻って、その時刻を「起床」として記録するということ。これに気づくまでは、表示された「睡眠時間」が本当の起床時とほぼ同時刻であることにあまり疑問を持たなかったのだが、これに気づいてからは、毎朝「いつ起きていることに気づくのか?」と、少し楽しみが増えた。

 傑作だったのは、早起きしてゴルフに出かけたときのこと。顔も洗ったし朝食も取ったのだけれど、電車に乗ってもまだ「睡眠中の覚醒」が続いていることになっていたのだ。電車の中では静かにしていたので、もしかしたら「眠りに戻った」のかと勘違いするかもしれないと期待していたのだが、案の定、昼になって確認したところ、その日の「起床時刻」は、私が西武線・入間市駅を降りた時刻だった。

 じつは、西武線の中で少々眠っていたのではあるが、まさかそれが決め手になったかどうか…(続く)

Wasedaウェルネスネットワーク会長・中村好男

http://wasedawellness.com/

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