WWNウエルネス通信 (2023年5月30日):「いつまでも美味しく食べる~宅配冷凍弁当」

先週金曜日(5月26日)。「いつまでも美味しく食べる研究会(通称AB研)」を開催した。

今回のテーマは、「冷凍食品」。

前回は「コンビニでおいしさを作る」で、ポテトチップをサラダにかけたり冷凍野菜と混ぜてオムレツにしたりと、様々なアレンジでコンビニ食品が美味しくなる様子を体験した。

そんな中で、「冷凍食品をそのまま食べても良いのでは」との話題になって、「高齢者向けの冷凍宅配弁当のなかには不味いものがあるらしい」とのコメントも寄せられて、「おいしい冷凍食品」を探求することになった。

以前(2月26日)にも配信したのだけれど、そもそもAB研は、「最期まで如何においしく食べることができるのか(その方法論を開発する)」という壮大な使命感を抱いた研究会である。

「終末期の療養者」の食生活が必ずしも充実しているわけではないという問題意識から始まって、自身で「何を美味しいと思うのか」を言葉にできることの大切さ、そしてそのためには自分で料理できる(少なくともどうしたらその食事が産み出されるのかを理解できる)ことが重要だということがわかるようになった。

その後、なにも手間をかけて料理をしなくても、「スーパーやコンビニで買ってきた惣菜・食事を皿に並べること」も料理といえるし、なんなら「冷凍食品をレンジでチンするだけ」というのでも十分だろうという形で、「料理」の概念がどんどんと拡張・簡略化してきた。冷凍食品であれば、冷凍室に保管しておけば賞味期限の心配もいらないし、生鮮食材の購入・管理の手間もいらない。

そのような観点から「冷凍食品」についてメンバーに調査してもらったところ、最近は宅配冷凍弁当が充実していて、高齢者向けだけではなく若者向も意識したメニューの冷凍弁当も流行っているらしいということが分かった。そのいくつかを実食してみたところ、電子レンジでチンするだけで、皿に移し替えたりせずに容器をそのまま食器として利用することもできて、食器洗いの手間もいらない。人によって味の好みは様々だろうけれど、今回試食した弁当を不味いという方はいなかったので、メニューのなかから好みのものを選ぶことはたやすいだろうと感じられた。

もちろん、美味しくない商品はすぐに淘汰されていくだろうから、

 「レンジでチンしたらそのまま食べられる」

という弁当型の冷凍食品(宅配)は、これから益々増えていくことだろう。

おそらくは、近年の急速冷凍技術の進化の賜物だと思うのだが、冷凍食品によって、一人暮らしの方々の食生活が充実することは間違いない。

  • 冷凍食品の知識やおいしさを伝えることができれば、独居で食事の準備ができない高齢者の方でもおいしく食べられるのではないか、
  • また冷食で簡単に食事ができきる低単価レストランがあれば、高齢者が昼食だけは食べにくるという引きこもり予防にも役立つのではないか、

という結論となった。

ところで、今年は関東大震災から100年の節目。

災害時には冷凍食品が使えなくなる場面もあるかもしれない。

保存食というと、昔は缶詰が定番だったけれど、最近では自衛隊でも「そのまま食べられるレトルト食」が普及しているらしい。

そこで次回(6月30日・金)は、常温保存のレトルト食品に注目して、新しい備蓄スタイルとしての「ローリングストック」との関連で探求することにした。

Wasedaウェルネスネットワーク会長・中村好男

http://wasedawellness.com/