本書は、魚住先生が一昨年秋に入院した際に、先生の直近の思索を整理編纂した「ヒトのからだは皮膚・筋膜・筋肉のつながり:その1~その3」を踏まえて、その技法・手順を取りまとめたものである。これまであまり触れられてこなかった「実技技法」が要素ごとに整理されて記述・解説されているので、「技法」を学ぶという観点からはとても便利な書と言える。
とはいえ、「その1」から「その3」ならびに本書は、魚住先生の「著作」というよりも、先生の折々の探求の成果(気づき)を記述した、いわゆる「備忘録」とも言えるものであり、読者の理解を最優先に作成されていないため、きわめて解読・理解が困難である。本書もまた、記載された手順通りに実践しながらでないと修得できない事柄が多く、読解は容易ではない。
そこで、ここでは、読者の便宜に供するために、本書の「読み方」について私の気づいたことを述べていきたい。
なお、私自身の理解が必ずしも十分である保証はなく、あくまでも私の理解の限りであることをご了解いただきたい。
※以下の各節は別ページに掲載しております。
最後に、魚住先生の著したこのシリーズを貫く基本思想は、以下である。
》すべての組織を固めない・固くしない:
》柔らかく弾力性のある復元力のあるものにすることで、
》体液の循環を促進し、細胞呼吸を促進し、エネルギーを作り出す。
この文面だけを読んですべてが腑に落ちたのであれば、本シリーズを読む必要はない。
このメッセージを咀嚼して実際のクライアントの問題解決に資するアプローチを実践しようとする意欲をもって本書を読めば、おそらくその本誌が遂げられることだろう。
いずれにしても、本書はきわめて簡潔に「技法」を記した名著であるが、表面的には極めて難解で、その原理になじみのないものが文言をなぞっても会得・修得に通じることは難しい。WWNの魚住サロンでは、その魚住先生の言葉(文字)を整理・分析して、適切な補助線あるいは第2軸を与えることで、皆様の理解が進む場にしたいと願っている。
Wasedaウェルネスネットワーク会長・中村好男
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