「東京で開催してもらえて本当に良かったとしみじみ思ったこと~その2:馬場馬術~」

ところで、自転車よりも、私が注目していたのは「馬場馬術競技」。

「予選ならば取れるだろうと」申し込んだチケット抽選にすべて外れたという残念な思いも、今となっては良い思い出だけれど、そのネット配信映像をライブで見ることができるという期待も、今回のオリンピック開催の(私にとっての)恩恵だった。

が、自転車ロードレースの興奮さめやらぬ24日(土)の夕方、その期待はしぼみかける。「次は馬術」とgorin.jpを探したのだけれど、なかなか見つからなかったのだ。gorin.jpではすべての競技をライブ配信するはずだった(と思っていた)ので、開会式翌日の馬場馬術予選は絶対に見ようと決めていたのに、なんと、gorin.jpでは配信されていないという事実に驚愕した。

絶望に暮れかけながら、日本馬術連盟などのサイトなども含めてさらに探したら、なんとNHKでネット配信されていた。

https://sports.nhk.or.jp/olympic/highlights/content/858ab6ab-1121-458b-959c-9597907d4819/

もちろん、自転車ロードと同様に、国際配信映像が流されるだけで実況もないのだけれど、競技場内の音は流れるし、馬の動きや足運びのアップ映像や、演技後のリプレイなど、場内観戦では得られない迫力の演技を見ることができて感激した。「無観客開催」の不利を上回る《観戦体験》ができたことは、なによりだった。これもまた、もし外国開催であれば、「馬場馬術予選」など、きっとネット配信すらなされなかったのだと思うと、「東京開催」の賜物であると、あらためて、今回の開催実現にご尽力くださった数多くの皆様に、ただただ感謝の言葉しかでない。

最近では、全日本馬術競技大会もネットで配信される時代になって、今年6月の大会では、馬場馬術のレベルの高さに感心させられたのだが、日本人選手が全く太刀打ちできない演技のレベルに感動。こんな演技はこれまでに見たことがなかったので、とても感慨深かった。

といっても、配信されたのは初日予選だけで、予選二日目の競技も3日目の「個人決勝」も見ることができない様子。4日目の「馬場馬術団体グランプリスペシャル」と5日目の「馬場馬術個人フリースタイルスペシャル」がgorin.jpで配信されるとのことなのだが、障害飛越やクロスカントリーと比べて、素人には退屈な動作としか思えないような馬場馬術は、単なるネット配信からも外されてしまうようだ。

でも、わずかながら配信されたのは、これもまた「東京」のおかげと思う。もう二度とメダルをかけた最高峰の馬術演技を見るチャンスがないのだと思うと、しみじみと、今回の東京開催が実現されて良かったと、また本当に有難く思う。