先週の記事は、これまでで一番反響が大きかった。
その反響のうちで、最初に取り上げなければならないのは「要望されたからといって(膵炎でもない患者に)処方したり分け与えたりするのは医者として問題」という批判的な声。
このように《正当な》認識は重要だ。カモスタットの効用が広く喧伝されなかった原因も、おそらく医薬行政の厳格な規制管理の下で行われる治験を経て認証されていないことにあるのだろうと思う。
一方、「かかりつけ医に尋ねてみたら処方してもらえました」という連絡もいただいた。
「効き目が5時間ということは、朝出かける前に飲んで、午後適当な頃に飲めばよいのですよね?」
と、薬を手にした夜にわざわざ電話をくださった。
「家に帰ったら感染の心配はないので、寝る前に飲む必要はありませんよね。」
と尋ねられたので、
「そうですね。寝ている間には感染しませんからね。」
と、私は答えたのだった。
ところが、翌日急に心配になった。
というのは、カモスタットの効能を説明する理論によると、ウイルスが体内に入るレセプター(受容器細胞)の入口をブロックするだけで、ウイルスそのものを死滅させるわけではないし、私にこの薬のことを教えてくれた医師のAさんが、
「ガラガラペッ、で大丈夫」
と口にしていたことを思い出したからだった。
ウイルスを身体に迎え入れるレセプターは、鼻粘膜や気管支の他に、肺、胃、心臓、腎臓にも存在し、小腸(回腸)にもある。外出時に喉から入ったウイルスが食道・胃を通って小腸まで運ばれるのは数時間後のことなので、ウイルスが小腸まで到達したとき(寝ているとき)にカモスタットがブロックしていなかったら、感染してしまうかもしれない。
そう気が付いた私は、
「夜寝ている間に感染する可能性もあるので、(処方どおりに)1日3回お願いします。」
とメールしたのだった。
もちろん、私も含めてほとんどすべて(99.9%の)方々にとっては、コロナウイルスが体内に侵入する機会はほぼゼロなので、「カモスタットを服用していたから感染しなかった」ということは証明できない。あくまでも、ワクチンを打つまでの「ひと時の安心材料」とご理解いただきたい。
ちなみに、「治すために飲む」というよりも「安心するためにずっと飲む」という薬としては、「血液サラサラ剤」とか「降圧剤」のような薬があるので、そのような薬を毎日飲み続けている方ならば、カモスタットを追加しても気にならないと思うのだけれど、薬を飲まない(薬嫌いな)私としては、とても服用し続けることなんかはできない。
そろそろ治験の結果も出てくるころだと思うのだけれど、治験で効能が認められたとしても、
「私(中村)は絶対に服用しない」
ということだけは誤解なきようにご理解いただきたい。
Wasedaウェルネスネットワーク会長・中村好男