WWNウエルネス通信 (2月2日配信)“大学入試について考える”

大学入試の季節になった。

私が所属する早稲田大学スポーツ科学部では、2月14日がメインの《一般入試》の入学試験日(合格発表は2月23日)であり、それに先駆けて「センター試験利用入試」の選抜が行われている。

とはいえ、実のところは10~11月にスポーツ推薦入試などの総合選抜入試(スポーツ競技歴を重視して選抜するAO入試)が行われており、じつはそのAO入試に関しては来年4月入学者向けの入試業務が始まっているので、厳密にいえば2月だけが入試の季節ではないのだが、多くの大学受験関係者(受験生・進路指導教員・受験産業関係者)にとっては1月中旬のセンター試験から3月の国立大学入試までのこの時期が「大学入試の旬」ということになる。

それはさておき、いわゆる“センター試験”は今年をもって終了し、来年からは「大学入学共通テスト」が実施される運びとなっている。昨年秋に「英語の民間試験」や「国語数学の記述式問題」などの導入見送りが世間の話題となったが、私たち大学関係者にとって「2020年の大学入試」というキーワードは、数年前から話題に上っていたものであり、私たちの大学(学部)でも、それに向けた準備に余念がないところであった。

ところで、入学試験(いわゆる大学受験)とはどのような機能を有しているのだろうか?

もっとも分かりやすいのは、「当該大学で用意している教育プログラムをきちんと学習できるかどうかの能力を評価する」という考え方なのだが、能力を有しているからと言って全員を受け入れるわけにはいかず「定員」に限定するための絞り込み(上位の者の選抜)が行われていることは皆の知るところである。

私たちの大学(スポーツ科学部)では、2月の《一般入試》においては「英語、国語・数学(選択)、小論文」という3科目を用意して、その合計点の上位の者を合格としている。その「定員」は100名で、昨年は155名が合格した。このほかに、《センター試験のみ》、《センター試験+競技歴》、《センター試験+小論文》というカテゴリで各50名(計150名)を募集・選考しているので、高等学校での学習科目を考査する、いわゆる“ペーパーテスト”の優劣で選抜される入学者が約6割となっている。

それでは、「英語」や「国語・数学」の成績が良いことが、どうしてスポーツ科学を学ぶために必要なのだろうか。結論から言うと、「英語」や「国語・数学」といった特定科目の能力がどうしても必要というわけではない。なぜなら、それらのペーパーテストを受けずに合格する、いわゆる“スポーツ技能”によって入学してくる学生も4割近く存在して、それらの学生も特段の支障なく学習して卒業していっているからだ。ではなぜ、「英語」や「国語・数学」といった問題を解く能力(得点)の高い受験生を合格させているのだろうか。

あくまでも私見に過ぎないが、それは、「与えられた課題に真面目に取り組んで成果をあげられる能力」を評価しているのだということしかできないのではないか。高等学校で与えられる“課題”は、「英語」や「国語」「数学」といった個別科目の学習であり、その学習課題に真面目に取り組んで成果をあげたかどうかを、入学試験で判別しているのだ。同様に、高校時代の“スポーツ業績”は、「課外活動としてのスポーツに真面目に取り組んで達成された成果」として、私たちの大学では合格判断尺度として活用しているのだ。

結局のところ、大学においても、「授業」という与えられた課題に一生懸命に取り組むことが要求されていて、与えらえた課題に真面目に取り組めば、たいていの場合は単位が与えられて卒業することができる。逆に言えば、「授業に真面目に取り組んでも成果(単位)をあげられない者」は、入学の資格がないものと判断して除外する。そして、その能力を有する志願者は、大学が定める定員を上回るので、設定した各々の尺度の上位得点者を(やむを得ず)選抜する。それが、大学入試の根本原理なのではないかと、個人的には思うのである。

(続)

Wasedaウェルネスネットワーク会長・中村好男

http://wasedawellness.com/

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