WWNウエルネス通信 (2025年11月2日):「くしゃみと咳」について考えてみたこと

先日(10月22日)の朝。

それまでの陽気が落ち着いて、半袖シャツが少し心もとないほどの涼感の下で、自宅玄関から外に出たとたんに「くしゃみ」が出た。

これは、肌寒さを感じたことに伴う防御反応なのだろうか?

あるいは、外に出た瞬間に(ウイルスかもしれない)異物が鼻腔に入って、それを排出しようとした反応なのだろうか?

と思ったのもつかの間、すぐに「もう一回」。

歩みを進めて10mほど進んだところで、また「くしゃみ」。

今度は3回、立て続けに繰り返す。慌てて手をあてるけれども、さほどの鼻水や唾は飛び出さない。それから300mほど歩く道すがら、「連続くしゃみ」が10回ほど繰り返された。

その後、パタッと止んでその後は発生していないので、寒暖差(急に気温が低くなること)に伴う「くしゃみ」のようだ。これは、「血管運動性鼻炎」と言われる症状のようで「温度差が刺激となって鼻の粘膜の血管が広がり、粘膜が腫れることで引き起こされる症状」とのこと。

それはさておき、私の独り言

**ここから**

 気温が下がって空気が乾燥するとウイルスの生存率が上がる。

 だから気温と湿度が低下する冬には、風邪にかかりやすくなる。

 それに加えて、鼻粘膜が乾燥すると、粘膜表面の線毛がウイルスを除去する機能が低下するために、鼻粘膜から体内(血液中)に侵入しやすくなる。

 実際には、侵入したウイルスが血液中の細胞に取り込まれてさらに増殖することで風邪などの症状に発展するので、鼻粘膜に付着した瞬間に排除されるくしゃみや鼻水には、他者に感染させるほどのウイルスは含まれてはいない。

 それでも、手を口元に当てることでウイルスを空気中に広げないことが、マナーとして定着している。

**ここまで**

さて、「くしゃみ」の翌日、ゴルフ場に向かう満員のクラブバスに座って隣の人と会話していた時のこと。

のどに渇きを感じて、小さく「コホン」と咳をした。

手を口元にあてたのだけれど、隣の人が少し動揺したのを感じた。

隣の方も大人なので、眉を顰めたりしてはいないのだけれど、「咳」に対する無言のプレッシャーは確かに存在するのだと思う。

もちろん、私には風邪の症状は全くないし、そもそもウイルスの侵入や増殖もありえないので、この「のどの渇き」と「咳」に実害がないことは明白なのだけれど、私たちの世の中には、「咳」や「くしゃみ」に警戒して忌み嫌う雰囲気が漂よっている。

ウイルスが体内に侵入して血液中で増殖(症状が発生)してしまったら、その後に起こる「くしゃみ」や「咳」は他者への感染をもたらす表象なのだけれど、感染する前の「くしゃみ」や「咳」は、体内への侵入を妨げる防御反応なのだ。だから、ちょっとした寒暖差(肌寒さ)を感じて「くしゃみ」を起こすのは、身体の防御反応が正常に作動していることの証だともいえる。

私の(広い意味での)免疫機能が正常だからこそ、今回も、外気の低下を肌で感じて「くしゃみ」を繰り返し、のどの渇きを感じて小さく「咳」をしたのだろう。

と、15年ちかく風邪さえひかずにすごしてきた私を、さらに安心させたのだった。

Wasedaウェルネスネットワーク会長・中村好男

http://wasedawellness.com/

コメントを残す