さて、そのような周到なシミュレーションを経て、9月27日9時20分。22km先の雀宮駅に向かって、いよいよ小山駅西口を出発したのであった。何度も繰り返して恐縮だが、前回の第3ステージ(東鷲宮~小山:30km)で発生した水泡の処置を誤ったことで、8月の一か月間をほとんど歩けずに過ごした身なので、6kmほどのウエルネスウォークは支障なく歩けるようになったとはいっても、20kmを越えるウォークができるのかどうか。それを確認することが、今回(第4ステージ)の大きな達成目標だった。歩くペースを上げると足裏の負荷が高くなるので、ペースが高まらないように歩けるかどうかということも、今回の課題だった。だから、小山駅を出発した当初から「ゆっくり歩き」を意識していた。
一歩一歩を感じながら「ゆっくり」と歩む。500mほど進んだところで、ふと見ると50mほど前方に人が歩いている。小山駅西口ロータリーから路地に入ったときには人影はなかったので、どこかから出てきた?
それとも、駅から歩いた人に私が追いついたということ?
とすると、ペースが速すぎ?
いや、さっき私が渡った横断歩道で信号待ちをしていたのかもしれない。
というようなことを思いながら歩き進めたのだが、少しずつ距離が縮まっていくような気もする。やっぱりペースが速いのかもしれないと、少し抑える。200mほど後ろをついていったのだが、私が左に進む突き当りの路地で、その方は右に曲がった。なんだか、マラソンで30kmまで先頭を走るペースメーカーのように、私の歩くペースを抑えてくれたようにも思える。
さて、2kmほど進んだところで、本日初めての信号待ち。時計を見ると9時45分ごろ。やはり、少しペースが速いようだと自覚。翌日、写真で記録した時刻を基に算定すると、1.7km地点までの速度は5.4km/時(90m/分)だったので、相当に速かったことが判明した。ゆっくりと歩いているつもりでも、歩き始めはペースが速くなってしまう癖があるようだ。
さて話を戻して、さらに1kmほど歩くと、国道4号線に合流。国道は、間々田から雀宮まではほぼほぼ宇都宮線路に並行して進んでいるのだけれど、小山駅の3kmほど南で線路から少し離れて、駅から3kmほど北の地点で、私が歩いてきた線路沿いの路と合流するのだ。もしかしたら、私が歩いてきた歩道は、かつては国道4号で、小山市内の混雑を避けるために少し離れたところに移設したのかもしれないと勘ぐってみた。
さらに進んだ4.5km地点の羽川交差点で、国道4号から外れて少し回り道をする。
というのは、かねてから宇都宮線で那須まで往復する際に、小山駅を北上しながら右手の車窓に見える乗馬クラブがずっと気になっていたからだ。小山駅と小金井駅のちょうど真ん中ほどにあるので、わざわざ行くには少し遠い。ただ、今回のコースのシミュレーションをしていた時に、私が歩くコース(国道4号)からあまり離れていないことに気づいたのだ。500mほど余分に歩くことにはなるのだが、せっかく来たのだから、少し寄り道することに決めた。
羽川交差点を右に曲がり、宇都宮線のガードをくぐって線路の反対側に出る。
地上に出たところの左手が「大沼」。北海道の大沼に比べるとはるかに「小さい」のだけれど、もともとは大正時代に整備された農業用の溜池だったようで、それが「大きな沼」という意味で大沼と呼ばれるようになったとのこと。そう思えば、北海道の大沼の方が、「沼」というには大きすぎるわけで、北海道に暮らしていた人々の大地のスケールの大きさを感じたりもする。
また、余計な話に展開しそうになったので、あわてて話を元に戻すと、大沼のそばにあるその乗馬クラブは、所有馬が27頭もいる中規模クラブで、私が訪問した時にはグループレッスンが終わって賑わっていた。スタッフ(経営者)に話を聞いたところ、「クレインに比べると小さいですから」と謙遜していたが、もしかしたら日本有数の大規模乗馬クラブチェーンを目標にしているのかもしれない。小山にいながら北海道のスケールを感じさせるような経営スタッフの意気込みだった。
(続)
Wasedaウェルネスネットワーク会長・中村好男