さて、7月30日の「那須ウォーク第3ステージ」でできた水泡(マメ)の水を抜いた際の感染症と疑っていた右足の腫れは、1週間たっても変わらなかったので、右足アーチの変形による炎症なのかと見立てを変えて様子を見た。「変えた」といっても、やっていることと症状は何も「変わって」はおらず、ただただ私の気持ちを変えただけのことではあったけれど、それでも、歩きから2週間後の8月13日ごろには、治癒する気配が訪れたのだった。
ところが、あろうことか、今度は左足が痛み出した。痛む箇所は拇指の付け根で、7年前(2018年)の3月に「痛風」と診断され、その後私が「外反母趾痛」と自己診断した状況と全く同じである。記録(ブログ)を振り返ってみると、2021年11月にも同じような症状があらわれて、ウォーク調査を欠席するほどの「歩けない」状態だったし、過去に何度も繰り返している「痛みと腫れ」のようだった。
結局のところ、右足の症状が左足に切り替わっただけで、その後は、左足をかばった「右足一本」状態での生活が続く。
もともと、8月に入って(右足の腫れと痛みに執心して)からは、左足には何らの支障もなかったわけだから、今回の腫れと痛みは「新たに発生したもの」と思われる。もしかしたら、両足をつなぐ体幹をまたいだ筋膜の影響で左右の緊張バランスが交互に伝搬するのかとも勘ぐってみたのだが、そんな話は聞いたことがないし、空想に留めることとした。
もっとも確からしいのは、第3ステージの長距離歩行では両足に無理を強いていたわけで、水泡という急性の症状が治まったとはいっても、その歩行時の組織負担の影響が今になって現れたのかもしれない。特に、先週は、右足をかばって左足に負荷を強いてきたわけだから、ただでさえ30kmウォークで壊れかけていた組織が崩壊した可能性もある。
しかたがないので、ただただ温めてさする保存療法を繰り返すのだが、ここにきて、ソファーに寝そべって足を持ち上げるという、急性期傷害の対処法の一つを取り入れたりしてみた。なにしろ、外に出ても車で移動して駐車場から店までを歩く以外はずっと家に閉じこもる生活なので、ついつい「椅子座り(足が下になる)」が多くなりがちだから、この「足上げ」は、体液循環への適度な刺激となった。そして、3日目くらいからは「少しずつ良くなる」ことを感じ始めていたのだった。
ところが、「このまま良くなる」ことを期待し始めた16日の夜。なんとなく腫れっぽく感じながら就寝し始めたところで、いきなり左足患部に激痛。驚いて飛び起き、様子を見ると、熱を帯びた腫れがひどくなっている。
「そんな馬鹿な!」
治りかけている組織損傷が安静状態で悪化するはずはない。この1~2日の間に、何らかの「悪化原因」が発生したということ?
思い当たるのは、1日前の夜に、水泡跡の最後の表皮がめくれてきたので鋏で切ったことと、拇指と第2指の爪を切ったこと。特に拇指の爪は角が完全に切れなかったので、切端をちぎったことで、そこから感染したのかもしれない。
ということで、さらなる「感染」を疑って、翌日(17日)、消毒液とイソジン軟膏を購入。風呂の後に爪切跡と水泡跡に塗ってみた。すると、翌朝には腫れが軽減。新たな細菌侵入がなければリンパ免疫系が機能するのだと確信した。最初は、消毒跡にティッシュを当てて養生テープで巻くという粗末な対処だったのだけれど、19日には大判絆創膏を購入して完治を確信した。
その際、完治のための「最終兵器」と称して、飲酒を止めてみた。
翌朝(20日)、左足には特段の変化はなかったのだけれど、右足第3指の中足骨部に違和感。夕方には、同箇所にわずかな腫れと痛みを感じるようになった。
その翌日(21日)になると、右足の腫れと痛みは無視できない程度に。まるで那須に来た時のような状態になった。左足は治りかけているとはいえ、まだ拇指付け根の腫れと痛みは消滅していないので、「両足不自由」な状態になったということ。その日も断酒を続け、結局丸3日の断酒となったのだが、22日朝になっても右足の腫れは引かないどころか大きくなっているのではないかとの気配さえ感じる。
「なんてこった…。」
もしかしたら、利根川を渡って古河に入った直後の鶴峰八幡宮を「足踏み」せずに通り過ぎてしまったことの祟りかもなどと、奇抜な発想さえ浮かび、そういえば、この3日間は、尿の出が悪かったような気がして、腎臓の不調を疑ったりもした。
ただ、「酒を止めたのにどうして浮腫みが出るの?」という疑問から、その日はあえて「夕食時の飲酒」を再開した。
すると、食前酒の時点で少し腫れが引いたような気がした(もちろん気のせい?)。ただ、寝ている間にも痛みが出ることはなく、どちらかというとぐっすり眠れて、尿量も普通に戻ったのだ。翌日も、腫れは徐々に引いていくようなので、味を占めて、(息子が来たこともあって)翌日は多量に飲酒。なんと、「3日の断酒」で発生した右足の腫れと痛みは、「2日の飲酒」ですっかりと完治したのであった。
飲酒明け翌朝に「良くなった」と告げた時にはあきれ顔だった妻は、「完治」を告げてからは飲酒のことには触れなくなった。
(この項おわり)
Wasedaウェルネスネットワーク会長・中村好男