WWNウエルネス通信 (2025年9月7日):「那須まで歩く(16)栃木に入る:宇都宮線沿いの風景」

さて、先に(#12で)述べたように、古河駅から小山駅までは、ほとんどすべてが「線路沿い」を歩くのだが、Googleから示されたルートでは、途中3か所で線路(踏切)を渡ることになっていて、そこを渡り損ねて進むと行き止まりになる箇所もあることが、事前の確認でわかっていた。その箇所は、手持ち地図の上にマークしていて、結論からいうと、古河から小山までは、Googleマップが示した通りに歩を進めることができた。

 古河駅を出てしばらくは線路(高架下)の左側を歩き、700mほど歩いたところで高架下をくぐって右側を進む。その地点からJR線の高架は徐々に地上に向けて下っていき、国道4号のオーバーパスの手前で、私にも線路が見えるようになる。その後、栃木県(野木町)との県境を越えた地点で、踏切を渡って左側道を進むことになる。

 じつは、私が渡った踏切(野木原踏切)は、(高架で踏切のない)古河駅から北に進んで最初の踏切で、ちょうど私がそこに差し掛かったときに踏切が締まって、上り貨物列車が通過した。これ幸いと写真に収めて(貨車を全部眺めた)のちに踏切を渡った。

線路沿いを歩きながら右手を見ると、ゼブラの工場が見える。さらに進むと、今度は左側に日本ピストンリングの工場。その会社名を、私はその時初めて知ることになるのだけれど、調べてみると最近では歯科インプラント部品まで手掛けていて、一昨年リケンと経営統合したようで、なかなか興味深い会社だということを知る。ということは本題とは関係ないのだけれど、そのNPR工場の正門前を歩きながら、もしかしたらこのエリアは「工業団地」なのではないかと気づく。マップで見てみると、線路の向こうには、ゼブラ以外にも、いくつかの工場や物流センターなどがあった。茨城県(古河市)内はほとんど住宅地だったのに、県境を過ぎるといきなり工場団地。これもまた、地域を分断する県境の威力といえるだろう。

13時57分、野木駅に到着。エスカレーターを登って改札口前のベンチで休憩。自販機でペットボトル飲料を購入するとともに、古河駅で購入した2本の空ボトルを廃棄。15分弱休憩して、野木駅を出発。この休憩中に自販機で購入したボトルを飲み干してしまったので、西口前のコンビニで水ボトルを追加購入した。

1キロほど歩いて住宅が途切れるあたりにくると、右側に異様(威容?)な光景。やけに多くの送電鉄塔が眼に入ってくる。それまでは、なんとなく線路沿いに送電線が走っているのが見えてはいたのだが、その先にも別の角度で送電線が走り、行く手の先にも、様々な方向に送電線が敷かれている。送電線が集まっているあたりに「東京電力パワーグリッド野木変電所」があったので、各所に送電するハブのような役割を果たしているのではないかと推察した。このほかにも、線路際にはJR間々田変電所(宇都宮線)や新野木変電所(東北新幹線)を通じてJR電車への電気供給も行っているようで、いろいろと興味深い。

さて、そのように送電線を堪能しながらも順調に歩を進めて、15時ちょうどに間々田駅(22.8km地点)に到着。(靴を脱いで)休憩したのちに、15時20分に間々田駅を発つ。間々田から小山までは、残り7.5km。全行程の1/4とはいえ、足裏に変調をきたすこともなく、順調に行程を終えることができる、予定だった。

(続)

Wasedaウェルネスネットワーク会長・中村好男

http://wasedawellness.com/

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