WWNウエルネス通信 (2025年9月4日):「那須まで歩く(15)古河のたしなみ」

さて、利根川を渡って堤防を降りると、いよいよ茨城県。古河の平地を歩くことになる。

最初の交差点で信号待ちをしていると、その角地の壁がやけに古めかしいことに気づく。もしかしたら、この辺りには、江戸時代あるいはそのずっと前から人が住んでいたのかもしれない。はたして、前方の左手に「鶴峯八幡宮」があった。古河市観光協会のホームページによると、「養和元年(1181年)、源頼朝が関東三鶴である鶴岡八幡宮より御神霊を勧請し、鶴ヶ峰八幡宮と称した。」とある。「全三十四柱の神を祀り特に、旅の神として猿田彦大神、琴平大神、八坂大神、浅間大神、水大神が祀られ、江戸時代より東照宮に旅する際に足踏みして、旅の安全祈願をした。」とも記されていて、もしかしたら将軍も足踏みしたのかもしれない。「現在も旅の方々や、健康祈願として足踏みする参拝者が多い」とのことであるが、「次の休憩地点は古河駅」と決めていた私としては、その看板をちらとは見たものの、淡々と歩を進めた。鶴峰八幡宮は東鷲宮駅から8.7km。古河駅までは5.3kmを残すばかりであった。

 

 その後は、宇都宮線の踏切というエポックはあったものの、ただただ道の右側歩道を歩くという、迷うことのない路。時々現れる店舗や施設なども含めた道端の風景になんとなく茨城・古河を感じるふりをしながら歩いた。ここまで進んで気がついたのだが、今回のルートにもほとんど木陰がない。ただ、四方に視界が開けた田畑道を歩くのに比べて、建物や街路樹と出会う歩道の方が幾分暑さが柔らかいのだろうか。もちろん、今回用意した日除け帽子と保冷剤の効果かもしれないけれど、今回は熱中症にはならないような気がした。

 それはさておき、いよいよ、手持ちの地図上に記されたスーパーの看板が見えたので、事前にストリートビューで確認した3つ目の鬼門に近づいた。歩道右手の林でできた50mほどの木陰を利用して、一息つくとともに、頸背部の日除けに装着した保冷剤を入れ替えた。はたして、その国道345号との交差点が現れる。手元に用意したストリートビューの写真と寸分たがわぬ風景がそこにあった。シメシメと横断歩道を渡った先に見える「車止めガード」の横をすり抜けて、目指す道に歩を進める。そして、その先にあるはずで、ストリートビューではどうしても確認できなかった、右手の線路沿いの路に曲がる路地もすぐに発見できて、予定通りに12時ちょうどに古河駅に到着した。

 古河駅にはVALという冷房完備の駅ビルがあって、飲食できる休憩スペースもあるので、1時間ほど昼食休憩。と同時に、ペットボトル飲料の補給も行う予定。

 あらかじめ目指していたのは「御馳走番所 米銀」という地元・古河の弁当・惣菜屋。創業190年とのことなので、きっと地元の米で美味しい総菜弁当が食べられるだろうと期待していたのだけれど、一番前に置かれていた「サバ焼き弁当」を目にしたときに、なんとなくありきたりの弁当にしか見えなくなってしまう。あまりおなかがすいていなかったこともあって、その背後に置かれていたざるそばと稲荷ずしを購入。イートインの休憩スペースで(目立たないように靴も脱いで)ゆっくりと食した。

 45分ほど休んだのちに、ごみを片付けて店内を一回り。トイレで本日3度目の排便を済ませ、水とスポドリのペットボトルを購入したのちに、ちょうど13時に古河駅を出発した。

(続)

Wasedaウェルネスネットワーク会長・中村好男

http://wasedawellness.com/

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