WWNウエルネス通信 (2025年7月20日):「那須まで歩く(10)新幹線高架下側道の罠」

さて、蓮田市からさらに歩を進めると白岡市に入る。県道3号線を北上して最初に「白岡駅入口」の看板が出てきた地名は「蓮田市西新宿」だったけれど、そこを過ぎて500mほど進むと「白岡市」の看板。市境を跨いだからと言ってどうということはないのだけれど、これまで「久喜・白岡」という標識に向かって歩いていたので、目標地にたどりついたという感慨は、(高速道ではなく)国道を走って見えてくる看板の効果と同じようなものなのかもしれない。

 それはさておき、白岡市に入るといよいよ新幹線高架下の側道に入る。

思い返せば、大宮から東に歩いて、大宮公園を左手に見て産業道路を北上し、土呂から東大宮まではJR・宇都宮線沿いを歩き、蓮田市内ではやや北北東方面に進むJR線路から離れるようにまっすぐ(日照り路を)北上して目指していたのは東北新幹線。白岡市内ではひたすら新幹線に沿って北上すれば、久喜駅で在来の宇都宮線や東武線と交差する。

だから、新幹線沿いを歩くのは、目指す久喜市までのもっともわかりやすいルートだということ。あとは(スマホで道を確認することなく)ひたすら歩いてゆけば、久喜駅まではなんの心配もない。…はずだった。

さて、新幹線の高架下をくぐってから右に曲がったわけなので、久喜までは新幹線高架の左側を進むことになる。そして、進みながら気づいたのだが、高架路の左側は日差しが注いでいて、高架下に入らないと日陰の恩恵を受けられない。高架の右側には1mほどの影が見えるのだけれど、そちら側には道がないので歩くことはできない。スマホで確認しても、ここから久喜までは、ずっと新幹線高架の左側を歩くことになっている。

時計を見ると13時前後で、夏至を過ぎたばかりの太陽はほとんど真後ろ(南南西)から注いでいて、この後時間が経つにつれて太陽は左に進んでいくので、久喜までの道筋では、背中からの日差しを遮ることができないということ。

側道から真上を見上げると、高架下側道の右側数mの頭上の高架は道路側に少しはみ出すように出っ張っていて、おそらくはこの道の右側半分(あるいは全部)はJRの土地で、高架路を管理するための道路なのではないかと推察できる。ときどき見えてくる橋脚脇の鉄階段が、線路管理用の設備であることを物語っていた。

それはさておき、これは大問題だ。その新幹線高架下側道に入った地点は大宮駅から約14km、久喜駅までは残り6km。手元のボトルには3分の一ほどのレモングラスティが残っている。汗拭き用のタオルはかなり濡れていて汗拭きの用をなさない。というか、もしかしたら汗の量も少なくなり始めている(脱水が進んでいる)のかもしれない。当然に「管理用道路」にコンビニやスーパーがあるはずもなく、涼を取る場も期待できない。道路左側に面した建造物でもあれば日陰も期待できるのだけれど、そもそも広々とした土地の高架管理用道路に面して店舗やビルがあろうはずがない。じっさい、最初に見えた建物は(広い校庭のさらに西側に建つ)小学校の校舎だったし、突き進む高速道路近辺(大宮から15~19kmあたり)には田畑や河川しかなかった。

(続)

Wasedaウェルネスネットワーク会長・中村好男

http://wasedawellness.com/

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