さて、那須で見つけたお好み焼き屋のマスターの話はまだまだ続く。
「人生の扉という歌があるでしょ、何とかマリアの」
「竹内まりあですか?」
「そうそう、特に最後の英語の歌詞が良いんだよね」
という。「後で聴いてみて」と言われたので、帰宅後に早速Yuotubeで視聴。
初めて聴く歌だったけれど、なかなか意味深な歌詞。
》春がまた来るたび ひとつ年を重ね
》…(略)
》気がつけば五十路を 越えた私がいる
という出だしで始まる1番の結びは、
》I say fun to be 20 (20歳は楽しい)
》You say it’s great to be 30 (素晴らしいのは30歳よとあなたは言うし)
》And they say it’s lovely to be 40 (40歳になると自分が愛おしくなるとも言う)
》But I feel it’s nice to be 50(でも私は、50歳になっても素敵だと思う)
という英語の歌詞。
この段階では、「ふむふむ」という感じだったけれど、2番の結びで感心する。
》I say it’s fine to be 60(60歳でも元気でいたいと言ったら)
》You say it’s alright to be 70(70歳でも大丈夫とあなたが言う)
》And they say still good to be 80(80歳でもまだまだ楽しいと言われるけれど)
》But I’ll maybe live over 90(90歳を過ぎても私は生きていくだろう)
さらには、
》I say it’s sad to get weak(弱っていくのは悲しいし)
》You say it’s hard to get older (老いていくのは辛いこととあなたは言う)
》And they say that life has no meaning (人生には意味がないという人もいるけど)
》But I still believe it’s worth living (生きているって素晴らしいと私は信じている)
と結ばれる。
Googleには、「当時50歳だった竹内まりやが、年齢を経ていく素晴らしさと人生観を歌っています」と語られていた。
もちろん、この歌を聴いた方は、各々の自分自身の人生に投射してそれぞれに感じ入っていくのだと思うけど、若いころから海外貿易で活躍し、その成果を活かして立ち上げた家具屋を息子(早大卒らしい)に譲って、自分では「重症筋無力症」と向き合いながらも、すい臓がんの奥様と共に、チェーンソーで木を伐って薪を割りながら、ゲストハウスとテニスコートとお好み焼き屋を新たに立ち上げた72歳のマスターにとって、この歌の「it’s worth living」とは、重症筋無力症と向き合いながら生きている、まさにご自身の人生そのものなのだろうと、ただただ感じ入った次第である。
(続)
Wasedaウェルネスネットワーク会長・中村好男
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