前回、「アレルギー性鼻炎に悩まされる学生」の話を紹介した。
「レーザー治療を勧められたのだけれど…」との相談に対して、手術に頼らなくても良いようにとアドバイスしたのだった。
配信後に、ある方からメールをいただいた。
》同じ病で何人かの医師に相談しましたが、レーザーは否定されました
》いまは3%塩水で洗浄してます
とのこと。
どうやら、「鼻洗浄」で対処しているようだった。
「鼻洗浄」は別名「鼻うがい」とも言われる。
一般的には、専用のボトルに所定量の洗浄液を入れて、片方の鼻腔から挿入。反対側の鼻腔(または口)から排出して、鼻腔内を洗浄するのである。ボトルの大きさは30mL程度の小さなものから500mLの大容量ボトルまでさまざまであるが、鼻穴への挿入口がソフトにできていて、付属の洗浄剤を入れて所定のメモリまで湯(40度弱)を満たすと、生理食塩水と同じ塩分濃度(0.9%)になるように設計されている。洗浄液は家庭の食塩をお湯で薄めて自作してもよい。
0.9%濃度の食塩水を使うのは、体液と同じ浸透圧にすることで鼻腔内の刺激を少なくするためなので、その刺激が気にならなければ濃くても良いし、水道水のままでも良い。
メールをいただいた方の場合は「3%」とのことなので、少し「しょっぱい」刺激が好みなのかもしれない。私はもっぱら水道水で洗浄していて、朝、顔を洗った際に、口をゆすぐついでに手酌の水を鼻にあてて、鼻をすすって鼻腔内に水を入れる。いつもは鼻から出すのだけれど、鼻腔奥や副鼻腔を洗浄したいときには、そのまますすり込んで口から排出する。食塩水(粘膜への刺激を抑える)を用意したり専用容器を使うのに比べて、はるかに簡単だ。
それはさておき、昨日開催された「いつまでも美味しく食べる研究会(AB研)」で、鼻炎の話題になって、私が自己流の「鼻うがい」のやり方を解説したところ、一斉に驚かれた。
「(鼻に水を入れるなんて)できる気がしない」
という方もいた。
穏当な「専用容器を使った鼻洗浄」でも、初めての人には抵抗感を抱く方もいて、誰もが簡単にできるわけではない。ましてや、「水での鼻洗浄」などはハードルが高いのだろう。
「逆上がりの様なもので、コツを掴めば簡単なのだけど」
と解説しておいた。ただしそれは、専用ボトルで生理食塩水を入れる場合。
さすがに、「水での鼻洗浄」は、だれにとっても越えられない「壁」なのではないかとも思ったので、
「水での鼻うがいは、逆上がりと言うよりもバック転に近いかも」
と、付け加えておいた。
もちろん私は、バック転はできない。
Wasedaウェルネスネットワーク会長・中村好男