ところで、肝心の「しゃっくり」は、胃カメラ後にはほとんど起こらなかった。処方された胃酸抑制剤(タケキャブ)を、すぐに1錠飲んだことが影響したのかどうかはわからないが、翌日からはほとんど兆候が表れなくなった。それゆえ、「朝食後に1錠」というタケキャブを飲む動機も薄れて、1週間経過(5錠消費)してからは摂っていない。「しゃっくり」とともに「呼吸困難感」も消失し、「咳痰・鼻水」は、週明け8月13日にはほとんどでなくなった。
振り返ってみると、私に起こった症状は「咳痰・鼻水」「しゃっくり」「呼吸困難感」の3つ。
この3つがお互いに関係しているのかどうかもわからなかったのだけれど、8月6日から9日までの間には、この症状が頻発した。
上記3症状のうち、「咳痰・鼻水」に関しては、4日に始まった咽喉の痛みから続く「風邪症状」であることは間違いない。その激しさには濃淡はあったけれど、一定した頻度で続いていた。一方で、「しゃっくり」については、食後と就寝初期に始まることが多く、就寝末期(明け方)には収まっていた(だから一応は眠れてはいた)。「呼吸困難感」は、「しゃっくり」が出ているときに現れるので、おそらくは「しゃっくり」と関係しているのだと考えられるが、息苦しくなるのが「しゃっくり」の原因なのか結果なのかは不明だった。
検査の結果、「食道下部の肥大」は、おそらくは「逆流性食道炎」の表れだろうし、「胃液が食道に逆流する」という症状が「しゃっくり」の原因となることは、ネットの記事でも一番に挙げられている。その対処としては、「胃酸分泌を抑制する薬による治療を試す/上部消化管内視鏡検査」とのことで、まさに、今回の胃カメラで食道炎の痕跡が認められたことで、医療上は一件落着ということになる。
ただ、厳密にいうと、処方された胃酸抑制薬(タケキャブ)は、9日12時に最初の1錠を飲んだとはいえ、その後はほとんど発生しなくなったので、もし「1錠」で効いてしまったのだとしたら驚きだ。
でも、どうして今回突然に胃液の逆流が「しゃっくり」に結びついたのだろうか。
もちろん、胃液の逆流がしゃっくりの原因となることは医学的には納得できるのだが、私の場合、逆流性食道炎自体は20年前に指摘されてから特に変わっていないし、胃液の逆流に伴う胸やけ(のどから口中に感じる酸っぱい味覚)も、これまでもたびたび生じたことなのだ。それが、今回突然に連続する「しゃっくり」として発現した理由が不明だし、ましてや「呼吸困難感」は今回が初めてだ。(続)
Wasedaウェルネスネットワーク会長・中村好男