昨日のウエルネスウォークでは、旧中川の水辺公園にならぶ桜を楽しみながら、北十間川に沿ってスカイツリーに向かった。天候にも恵まれて、気持ちの良いウォーキングを愉しむことができた。
ところで、先にも述べたように、私は最近歩き方を変えた。
どのように歩くのかというと、「足先(母趾の尖端)を意識」した歩き方。少し詳しく述べると、後ろに運んだ足が地面から離れる際に、「母趾の尖端で蹴りだす」ような感じとでも言えるだろうか。言葉で伝えようとしてもおそらくは誤解されるだけなのだけれど、少しイメージできるように述べてみたい。
例えば、スリッパで歩く場合をイメージして(あるいは実際に歩いて)みて欲しい。
スリッパで歩くときには、後ろの足を床面から離す(離れる)際には、スリッパを持ち上げるように離すか、足指の付け根(母指球など)で蹴るのがせいぜいで、足先で蹴り進むことは困難だ。
靴の場合は、靴の踵部(ヒールカウンター)が踵を包み込んでいるので、後ろ足が地面から離れる際には踵が浮いて足先で蹴りだすことができるようになる。
しかしながら、一般的なウォーキング用シューズでは、足幅の一番広い箇所(ボール部)で屈曲するようになっていて、その屈曲部(足裏の母指球部分)で蹴り出すこともできる。私はこれまで、その母指球部分で蹴って進んでいたのだけれど、もう少し足を後ろに運んで「足先(母趾の尖端)」が最後に離れるような意識で歩くようにしてみたのだった。
このように歩くと、足先が地面から離れる際には母趾の根元の関節が反れ曲がって(背屈して)そこに大きな力がかかるようになる。それまでは、そのような力がかかったことがなかったので、歩き方を変えた当初は、足先の負荷を強く感じて母趾(第1趾)に軽い痛みを感じるほどだった。
それからもう3週間以上たっているので、今はもう母趾の痛みは感じない。時折「足先の負荷」を感じることはあるけれども、もう違和感はなくなった。
ところで、実は歩き方を変えただけでなく、踵部を2cmほど底上げするための踵インソールを装着している。これを挿入すると直立したときの足首の角度が少し広がって自然な角度(中間位)に近くなる。当然、踵と一緒に足の甲も高くなるので、靴紐は少し緩めていたのだけれど、昨日の朝、全体的に靴紐を締めなおして、上から3つ目くらいまでが少し広がる(圧迫が緩くなる)ように締めてみた。
そうすると、立っているときは足甲は圧迫されていないのだけれど、後ろ足の母趾尖端を蹴りだすときには甲の部分(ひもを緩めた箇所)に軽い圧迫を感じる。つまり、直立しているときよりも足の甲が高くなっているということ。
足裏には踵から母指球まで湾曲(アーチ)があり、足部の内側は地面から浮いていて「土踏まず」を形成している。私が最近取り入れた「足先を意識する歩き」によって、母趾尖端で蹴りだす際に「甲の部分に軽い圧迫を感じる」ということは、蹴りだすたびにアーチが高くなるということを意味する。これは、ウィンドラス(巻き上げ機)効果と言って、母趾が根元(中足趾関節)で背屈すると、母趾先につながっている足裏の足底筋膜を引っ張って(中足趾関節で巻き上げて)足裏のアーチを高くするのだと言われている。
それまで、ぴったりと靴紐を締めていたのであまり感じなかったのだけれど、圧迫しない程度にまで緩めてみると、一歩ごとにアーチが高くなる(ウィンドラス)効果を感じることができたというわけ。
これまで、「足裏感覚」にはずいぶんと気を配ってきたけれど、「足甲(アーチ)感覚」の感じ方もあるのだと、桜の並ぶ水辺ウォークを楽しみながら密かにほくそえんでいた。
あまりにも嬉しかったので、最後の体操の後に少し解説してしまったのだけれど、聞いてくれた方々には、何のことだかさっぱり伝わらなかったのではないかと反省している。
Wasedaウェルネスネットワーク会長・中村好男