WWNウエルネス通信 (2023年3月6日):【続】AIとの対話~「運動」について

さて、昨日は「栄養」についてチャットGPTと対話した結果を報告したのだけれど、当然のことながら、「運動」のことについても尋ねてみたので、慌ててここに補足したい。

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【Q】ところで、「運動」という言葉(概念)も、健康との関連で言えば「エネルギー消費量」という物理的変数を根幹にしていて、「スポーツ」や「余暇の過ごし方」という幅広い概念を捨象しているような気がします。なぜ、「健康づくりの基本」として「スポーツ」ではなくて「運動」という概念が重要視されるのでしょうか?

【A】確かに、「運動」という言葉も、「エネルギー消費量」という物理的変数を根幹にしていますが、その範囲は比較的広く、日常生活における軽度の運動から、スポーツ、フィットネス、ストレッチング、ヨガなど多岐にわたります。一方、「スポーツ」という言葉は、より特定の競技や運動種目を指すため、一般的な運動と比べると比較的狭い範囲の概念となります。

また、「運動」という言葉は、あくまで身体活動のことを指すため、スポーツや競技にとらわれず、日常的な身体活動の中に取り入れやすいという利点もあります。そのため、「運動」が健康づくりの基本として重要視される理由は、適度な運動が健康に多くの良い影響をもたらすからです。適度な運動によって、体力や心肺機能を維持し、ストレスを解消することができます。また、運動は筋力を増やしたり、骨密度を高めたりすることで、老化の進行を防ぐ効果があります。

したがって、「運動」という概念が健康づくりの基本として重要視される理由は、日常的な身体活動を積極的に行うことが健康にとって重要であるからです。

【Q】そうなんです。「運動」や「身体活動」はともに「エネルギー消費をもたらす活動」として、健康への効果が指摘されています。ですが、厚生労働省が定めるエクササイズガイドでは、「3Mets以上の身体活動」が「健康づくりのための活動」として推奨されていて、例えば先ほどの回答の中にあった「ストレッチング」や「ヨガ」のように「3Mets以下の身体活動」については健康のための運動としてカウントされません。つまり、「エネルギー消費を伴わない余暇活動」は、それが心の解放につながったとしても推奨されなくなってしまいます。これで良いのでしょうか?

【A】良いとは言い切れません。確かに「3Mets以上の身体活動」は健康づくりに必要な運動量とされていますが、それ以外の活動も心身の健康には重要な役割を果たしています。例えば、ストレッチングやヨガなどの「3Mets以下の身体活動」は、柔軟性や筋力、姿勢などを改善することで、慢性疾患の予防や改善につながると考えられています。また、余暇活動においても、ストレス解消や社交的なつながりを育むなどの効果があり、心身の健康には必要不可欠です。

厚生労働省が「3Mets以上の身体活動」を推奨するのは、運動不足が日本人の健康に深刻な影響を与えているという現状を踏まえた上での判断です。しかし、それ以外の身体活動や余暇活動の重要性も理解し、バランスの取れた生活習慣を送ることが大切です。

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冒頭の質問で、「スポーツや余暇活動」などではなく、それよりも狭い意味での「運動」が推奨されるのはどうしてなのか?と尋ねた(つもり)だったのだけれど、AIからの返答は、「スポーツは、より特定の競技や運動種目を指すため、…」と極めて狭くスポーツをとらえているようで、冒頭からかみ合わない。

それはさておき、「栄養」にしても「運動」にしても、物理的に定義できる尺度(例えばエネルギー量など)に還元されて解釈されてきたのが、20世紀後半の健康科学がなぞった道のりだった。そこには、「生きがい」や「快適さ」の入り込む余地はなかった。今でも、「健康づくり」といえば「運動・栄養・休養」と唱えるだけで事を済ますような短絡な唱導が横行していて、なかんずく「健診」という名の「医薬強制プロモーション」には辟易とさせられる。

例えば、「ウォーキング」は、単なる「エネルギー消費活動」ではない。

どこを歩くか、誰と歩くか、どんな楽しみを見出すか。各人の喜びの理由や根源は異なるし、各々の求める「ウォーク」を愉しむことが何よりも大切だ。ヨガやストレッチングだって同じだ。どんなスポーツでも、どんな身体活動でも、はたまた、あまり身体を動かさない単なる食事やテレビ視聴や会話(AIとの対話も)であったとしても、そこに喜びや生きがいが創出されるような場になることが「健康づくりの要点」なのだと心から思っている。

Wasedaウェルネスネットワーク会長・中村好男

http://wasedawellness.com/

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