本日は、久しぶりに全く何の予定もない休日。
もちろん「予定」といっても「仕事」だけではなく、ゴルフや買い物などあらゆる「予定」のことなので、私の生活が「予定に追われている」ということでは決してない。朝起きて「今日は何をするのだったっけ？」と自分に問いかけて、スケジュール帳を確認して「何もない」と確信できたのが、久しぶりだったということ。
さかのぼって確認したところ、スケジュールに予定記載がなかった直近は「11月20日」だった。おおよそ1月に1度くらい遭遇する余裕の日。
でも、当然のことながら「やり残していた仕事」もあるので、おもむろに早稲田の仕事場に向かう。「やり残した仕事」といっても、出し忘れた郵便をポストに投函するとか、この原稿を書くとか、過去のメールを確認してみると、忘れていた（やり残した）仕事は結構見つかる。ときには、こういう日がないと「忘れたまま」で迷惑をかけてしまうこともあるから、私にとっては大切な《暇》ともいえる。
それはさておき、早稲田には自転車で出かけた。距離は2㎞強で、電動アシストの自転車で片道７～8分程度。
そういえば、前回早稲田に往復した際、満充電のバッテリーを手にして家を出たのに、帰路の自宅直前の登り坂でバッテリー切れとなったことを思い出した。坂道の手前までは満充電と同じ「4つ」のランプがついていたのに、高々200m（標高差17m）の坂を漕いでいる間に「３つ」となって、登りきる直前に夜間の照明ライトが消えた。おそらくは、坂を上る負荷が過重で急激に放電したのが原因なのだろう。
以前から、バッテリーのもちが悪くなっていたとは感じていた。それでも先月までは早稲田まで３往復はできたのに、たった１回で電池切れとは。そろそろ寿命のようだ。
自転車自体のメカ（ギア・チェーン・ハンドル・ブレーキ・タイヤ・リムなど）は全く支障がないのに、バッテリーが寿命を迎えると乗れなくなってしまう。ネットで検索してみると、３～４万円程度で「交換」できるらしい。
思えば、私の身の回りには「バッテリー」があふれている。
パソコンもスマホも、髭剃りも歯ブラシも、内臓バッテリーを充電して使用する。ウォークに使うトランシーバーも拡声器も一回ごとに充電している。そういえば、早稲田ゼミ室の掃除機のバッテリーも交換したばかりだ。電動シェーバーや歯ブラシの場合は、剃り刃やブラシの消耗の方が速いけれど、「充電製品」の中には、バッテリーの劣化・寿命が致命的不具合になるものも多い。
このように考えを巡らせながら、私はスマホを毎年のように交換しているということに気づいた。買い替える際の最大の不満は「バッテリーの持続時間」だ。朝、満充電で出かけて帰宅時に消耗しているようになると、買い替えたくなるのだった。その他の機能はほとんど劣化していないので、いつも、買い替えた後のスマホはWiFi接続端末としてしばらく使おうとするのだけれど、新しいスマホで済むことなので、1か月もすると使わなくなる。まだ十分に使えるというのにもったいないなぁといつも感じるのに、そのうち忘れてしまう。
スマホのバッテリーも、自転車や掃除機のように交換できると良いのに。
でも、携帯端末の日進月歩の進化を支えている要素の一つがバッテリーの進化なので、交換部品としてバッテリーを製造・在庫するコストが膨大になって、「買い替え」の方がお得になるのだろうと諦観している。
こうして、「まだ使えるもの」が廃棄される。それを無駄というか合理的というかは、当事者の気持ち次第なのだろう。私は「捨てられない性格」なのでいつも心苦しいのだけれど、だからといって世相にあらがう勇気もなく、いつも「お得な選択」に終始してしまうのだ。
ところで、私の身体も、かなりの年月を経過して、往時の性能を発揮できない機能もある。幸い、頭脳と口の達者さにはますます磨きがかかってきているというのに、身体やエネルギーを使う行動能力はずいぶんと低下してきたように感じる。
「むむっ、バッテリー切れ？？」
厳密にいうと、「バッテリー」とはエネルギーの貯留装置のことで、私の身体の蓄積（脂肪）エネルギーはますます容量が多くなっているから、「バッテリー」としての機能は万全だ。しかも、たっぷりの容量を保持しているのに、いつも「燃料（食糧）エネルギー」をふんだんに活用しているわけだから、古びることもない。「電気バッテリー」に比べて「バイオバッテリー」は寿命がすこぶる長いのだ。おそらく、本体寿命よりも寿命の短いバイオバッテリーは存在しないだろう。
そうだ。つまるところ、私たちは「電気」に依存しすぎているということなのだ。「電動アシスト」に依存しているがゆえに「バッテリー切れ」の不安から脱却できないのだ。
なんだ、「歩けば良い」のか…。
Wasedaウェルネスネットワーク会長・中村好男
中村好男の世界 