11月は、ウォークコースの調査(調査ウォーク)を集中して行ったため、スタッフと歩く機会がとても多かった。通常は、水曜日に2回(奇数月は3回)のウォークと最終週の下見を加えて計3~4回のところ、この他に4回の調査ウォークを行ったため、合計8回歩いたことになる。
作成しているコースは年17件なので、「調査ウォーク」を均等にならせば月に1~2回で済むのだけれど、5月~9月は「暑いから」という理由で控えていると、そのツケが10~12月に集中する。振返ってみると、昨年11月も「調査ウォーク」と合わせて計8回のウォークがあって、この他にゴルフラウンド(8km程度歩く)も4回あったので、月間の歩行距離はかなり多かったようだ。
そして、昨年11月21日の調査ウォークの直後に覚えた左足の痛みは、夕方には腫れとともに増してきて、翌日は痛くて家から出ることができなかった。その翌日になっても痛みは治まらず、その日の「調査ウォーク」には参加できなかった(その顛末は以下に記載)。
さて、この記事を改めて読み直してみると、私の足の痛みは足部の構造(横アーチが少ないこと)と歩き方(スピードが速い)によるものだということが分かってきて、歩き方を変える(ゆっくりと歩けるようにする)ことに取り組んでいたことがわかる。でもそのときは、
「歩き方を変えるのは難しい」
と実感していたようで、「痛いのにゆっくりと歩けない(足部に負担をかけてしまう)」という状況だったようだ。
ところで、先日、小手指駅発の一番バスに乗って所沢キャンパスに向かった。
バスを降りて校舎に向かって歩いていた時、後ろから「お早うございます!」と声をかけられた。振り向くと奥田さん。後から来た学バスに乗ってきて、私に追い付いたらしい。
「ずいぶんゆっくり歩いてましたけど、具合が悪いのですか?」
と心配された。
「別にどこも悪くありませんけど」
と答えながら、なるほど私は「ずいぶんゆっくりと歩く」ことができるようになったのだと感じ入った。
おそらく、この1年間で「ゆっくり歩き」を修得できるようになったということだろう。
それはさておき、先月のウエルネスウォークの途上、参加者の一人から質問を受けた。
「中村先生はゆっくり歩きが良いと勧めていたけれど、速く歩いてはいけないのか?」
という趣旨だったと思う。
私は、
「歩き方は目的次第なので、足脚を強くするとか減量のためにカロリー消費を目指すといった場合には速く歩くことが勧められています。私の足の構造では、速く歩き続けると足に負担をかけて痛みが生じてしまうので、足の負担を減らすためにゆっくり歩こうとしただけなのです。」
と、少し長い言葉で弁明した。
私もうかつだったのだけれど、「ゆっくり歩き」だけが理想の歩き方だというわけではない。40年ほど前から、フィットネスあるいは健康づくりの技法としてウォーキングが注目されるようになり、心拍数を上げたり脚筋を鍛えたりするための技法として「しっかり歩き」や「速歩」が推奨されてきた(私もずいぶんと唱導した)。それは、これまで同様にこれからも提唱され続けると確信している。
それが間違っているわけではない。
ただ、私の場合は、60歳を超えたころから足部に痛みを覚えることがたびたびあって、それが(ついつい速く歩いてしまうという)「歩き方」が原因かもしれないと思ったから、「ゆっくり歩こう(歩けるようになろう)」と思い至っただけで、そして、どうやらこの1年間で「ゆっくり歩き」ができるようになったらしいということ。
そして、例年のように「調査ウォーク」が立て込んだ11月にも「足の痛み」が再発しなかったということだ。
もちろん、足の構造上の問題も関係していると思うのだけれど、私のように、日常の歩きのスピードが速くて足の痛みが頻発する方には、
「ゆっくり歩けるようになると足や膝の負担が和らぎますよ」
と申し述べたい。
Wasedaウェルネスネットワーク会長・中村好男