昨年末のこと。ゴルフのボールを見失う私に対して、いつも一緒に回る仲間が、「眼鏡を変えたらどうか(合っていないのでは)?」と提案してくれた。
今の眼鏡を作ったのは、4年前。ちょうど早稲田に研究室を借り始めた頃のこと。
30年前ごろから、デスクワーク用の眼鏡と屋外用の眼鏡の2種類を使い分けていたのだけれど、そういえば最近では、室内でテレビを見る際にも「屋外用」を使っていることを思い出した。室内で3m先の画面を見る眼鏡でゴルフボールを追っていたのだから、ボールが見えにくいのも当たり前かと実感した。さらに言えば、最近、研究室でのデスクワーク中にも「目の疲れ」を感じることがあって、目薬を購入したりしたし、どうやら近業用も屋外用も、今の私には適合していないということなのだろう。
秋から冬にかけて薄々自覚はしていたものの、年末最後のゴルフの帰り道に、「メガネを変えよう」と決意したのだった。
そしていよいよ、1月4日。今年最初のゴルフの帰り道に、池袋の眼鏡屋によって「測定」をしてもらう。混んでいたので、20分ほど待たされたのだが、ただ単に「視力」を計るだけではなく、「どこまで視力を矯正できるか」とか、左右の調整機能とか、「乱視」の傾きだとか、どうやら色々とチェックしなければならない要素があるらしい。
最初は、草原にポツンと立つ一軒家らしき絵が画面に表れて、それが見えたりボケたりするのを、
「答えないで良いですから見続けてください」
と言われるままに凝視する。どうやら、眼球レンズの調整機能を機械が勝手に調べている様子。
次に、おきまりの「ひらがな」を答える。
「て と け」
とか、
「つ く と」
とか、だんだん小さくなって読み取れる限界まで、レンズを変えながら繰り返す。
その後は、「赤と緑の背景の黒文字のどちらが見やすいか?」とか、「ばらばらと散らばっている小さな黒丸がくっきり見えるのはどちらか?」とか、「縦線と横線のどちらが太く見えるか?」などなど、様々な「測定」を繰り返す。
すべてが終わって、結果を教えてもらう。
「1.0」の視力が得られるようにするために適合したレンズの「度数」と「乱視矯正度」を紙に書いて伝えてもらった。
この間、およそ30~40分程度。
最初の待ち時間が全く気にならないほどに、丁寧に検査してくれるし、途中のやり取りも一切戸惑わせることなく、心地よく応対してくれた。
その親切な女性店員(たぶん20歳代)は、
「つぎは、フレームを選びましょう」
と言う。
なるほど、「目の検査」は、「メガネを買う」ためのものだから、レンズだけ決めても仕方がない。フレームも一緒に買わないと、眼鏡屋に来ている意味がない。
と、そこまで瞬時に気づいた私は、
「もう一度、日を改めて検査してもらいたい」
と申し出た。
その日はゴルフの帰りだったし、デスクワークで目が疲れた状態だとまた違う結果になるかもしれない、と言い訳してお願いしてみたら、
「良いですよ」
と、躊躇せずに即答してくれた。
なんと親切でわかりの良い店員さんなんだろうと感激しながら、測定結果を手に店を出たのだった。
(続)
Wasedaウェルネスネットワーク会長・中村好男
[…] 前回の内容は→ https://yoshionakamura.jp/2022/01/16/wwn220116/ […]
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