WWNウエルネス通信 (11月7日):「勝手に気づいてもらう」ということ

本日も、品川講座。奥田さんと二人で(ほとんど奥田さんが)90分の講座を終えてきたところ。9月から通算すると、私たちにとっては5回目となるのだが、「品川区みんなの生涯健康講座」としては今年度の後期初回ということで、初めての参加者が7割以上を占めていた。

品川講座のたびにここで報告しているので、皆さんにとっては飽き飽きしていることかもしれない。しかも、本日のテーマは「基本動作《座る・立つ》を学ぶ」という昨年の5回目と同じテーマ。

最初は、「昨年と同様にやりましょう」と打ち合わせていたのに、奥田さんとメールをやり取りしている間に、「勝手に気づいてもらう」という戦略が浮かび上がってきて、終わってみると、これまでとは違う講座になっていた。

導入箇所で奥田さんが参加者に質問しているときに、横で見ていた私には、今回の参加者が「かなり手ごわい」と感じた。「身体が固い」とでもいうのだろうか、単なる「緊張」とは違う雰囲気がただよっていて、ご自身の身体の状態に気づいてもらうことが本当にできるのだろうかという不安がよぎった。

30分ほどの講話を経て、いよいよ実技。とはいっても、最初は椅子から立ち上がってもらって、立位でも足裏感覚を尋ねる。

 「両足のどこら辺に体重がかかっていますか?」

と尋ねたのだが、反応が薄い。

 「踵の方ですか、つま先の方ですか?左右は同じですか?」

と尋ねてもピンと来ていない様子。やはり「手ごわい」。

その後、万歳をしたり、足を(片方ずつ)挙げてみたり、しゃがんでみたりしたのだけれど、まだまだ「気づいた」様子は見えない。

ところが、「感覚の練習をしましょう」と言って、「椅子からの立ち上がり」を指導したとたんに、「えっ!?」という雰囲気が漂った。

 「どうして?」「いつの間にか立てていた」

というような感覚なのだろうか、ある種の驚きを感じたような表情が見て取れたのだった。

この後、椅子に座った状態での上体の回旋。

「右側を振り向いたり、左側を振り向いたり」して、どっちが回しやすいかをチェックする。そして、回し易かった側の座骨の下に3cmほどの厚みのタオルを挟んで、「回し難かった側」に回旋してみる。「楽に回れたこと」を確認して、そこからさらに「目の玉だけ」で後ろを見るように指示。元の姿勢に戻って深呼吸。これをもう一度繰り返してから「立位」での足裏感覚チェック。万歳をしたり足を上げたりしてその感覚を確かめると、さらに驚きの表情。

「楽に動ける」という感覚と共に、自身の足裏で体重を感じられる不思議さに驚いた方が多かったようだ。

休憩を挟んで、マットに寝ころんだ状態での実技実習をやっている間は、何がどうなったのかわからないようだったけれど、確実に自分の身体の(動きの)感覚が変わってきたことに気づいてくれたようで、「楽に動けている」という実感を会得してくれた方が多かったようだ。

 「勝手に気づいてもらう」という戦略が功を奏したことに手ごたえを感じた。

ここまで読み進めて、まるで私(中村)が指導したかのように感じた方もいるかもしれないが、(冒頭に記したように)私は最初の5分くらい話しただけで、すべて奥田さんが指導したこと。誤解なきようにお願いいたします。

Wasedaウェルネスネットワーク会長・中村好男

http://wasedawellness.com/

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