どうやら、「コロナウイルス」はひと段落したようだ。
もちろん「第6波」とかと恐れおののいている人もいるので、そのような方はぜひとも慎重に日々を過ごしていただきたいのだが、多くの皆様はひとまずほっとしていることと思う。
ところで、最近めっきりと秋が進んで気温の高低が激しい。このような折には風邪をひきやすくなることは皆さん周知のこと。ぜひとも、油断せずに「風邪」への配慮を怠らないように注意していただきたい。
ところで、この「風邪」であるが、原因は「コロナウイルス」。昨年来のウイルスを「新型」というならば、「旧型」とでもいえるだろうか。ウイルス感染には、「ウイルス干渉」といって、一つのウイルスが流行すると他のウイルスが流行しにくくなるという定説があって、それが昨年のインフルエンザ流行が皆無だった証とも言われている。それは、「風邪」についても同様。風邪の場合は、「風邪の原因ウイルスであるヒトコロナウイルスに対する免疫が新型コロナの重症化を防ぐ」という知見も集まりつつある。なにしろ類似の「コロナウイルス」なので、それまでに「風邪ウイルスへの免疫」が確立している人はコロナウイルスにもかかりにくいということ。
それはさておき、肝心の「風邪ウイルスへの免疫」であるが、これがどのように獲得されるかというと、「風邪を治さないこと」が肝要だということは意外に知られていない。
すでに、昨年8月の本通信でも申し述べたことであるが、
「風邪は治すべきものではなくて通過するもの」
という野口晴哉先生の言葉は至言である。
医者も含めて多くの専門家にとっては常識なのだが、「風邪」に対して「風邪薬」を飲むのは単に症状を抑えるだけの「対処療法」であって、根本治癒ではない。それどころか、風邪薬を飲むことによって本来の免疫系の働きを阻害して、「風邪ウイルスへの免疫力」が損なわれてしまう。風邪薬を飲もうが飲むまいが、風邪はいずれ治る。薬を飲むのは、早く「症状」を抑えて仕事や勉強をできるようにすること。容易に休めないサラリーマンや学生ならば、風邪薬で症状を抑えることも有用なのだけれど、できることなら静かに休んでいるのが一番良い。
本通信で何度も申し述べていることなのだけれど、コロナウイルス対策としては「免疫力強化」がなによりも重要。だから、「免疫力を強化するためのワクチン」が推奨されるのだ。そして、「風邪ウイルスへの免疫力」を高めることは「新型コロナウイルス」への免疫力にも通じるということ。普段から薬に頼っている方は、風邪やインフルエンザだけではなく今般のコロナウイルスに対しての免疫力も損なわれているということを、もっとみんな分かっておいたほうが良いと思う。
Wasedaウェルネスネットワーク会長・中村好男