あっと気が付いたら日曜日の18時。うっかり、この通信を忘れるところだったと思って慌ててファイルを開いたのだけれど、じつは先週日曜日に配信するのをすっかり失念していたということに、たった今気づいた。
振り返ってみると、この1~2週間は怒涛のように時間が過ぎていて、余裕がなかったのだなぁと反省している。
それはさておき、2週間前に「次に書こう」と思っていたのは、表掲の話題。
「痛くない死に方」とか「病気の9割は歩くだけで治る」「平穏死10の条件」など、私を感化させてきた数々の著書を出してきた長尾和宏さんの「歩くシリーズ最新作」のタイトル。
「歩くだけで」というのはいささか誇張が過ぎるのではないかとも思うのだが、「歩くこと」によってウイルスに負けない身体ができるのは自明なこと。ただ、私にとってはあまりにも自明な身体の原理なのに、残念ながら昨年春の騒動以来、すっかりと人々の心の中から消え去ってしまったようで、私としては忸怩たる日々を送っていた。
同書が刊行されたのは昨年4月のことなのだけれど、「感染防止のためにウォークイベントは自粛」などと宣う役所もあるようなので、同書の内容は必ずしも人々の心に浸透しなかったということなのだろうか。
それはさておき、本書の主張は、以下の3点である。
- 大切なのはウイルス感染で死なないこと
- ウイルスで死なないためには、抵抗力と免疫力を上げることが一番
- そのためには歩行習慣が最適
世間では「コロナに負けない」などといって様々な施策がなされているが、大半は「感染者を減らす」ことが目標。そのために、「人から人への感染」が最大至極の抑制目標となっている。どこからどのように感染するかもわからずに徒手空拳で努力するのも良いのだけれど、「ウイルスが体内に侵入しても感染しない身体を作ること」が目標にされないのは、現代日本の7不思議だ。
ちなみに、「ワクチン」というのは「感染しない身体」を作るための一つの手段だけれど。歩くだけでワクチンと同じ効果があるという当たり前の理屈が、邪険にされている。
これはとても残念なことだと、私は声を大にして訴えたい。
(続)
Wasedaウェルネスネットワーク会長・中村好男