WWNウエルネス通信 (6月27日):「私たちの人生」を充実させることが何よりも大切

先週の話には続きがある。

といっても、先週の話を覚えていない方も多いだろうから、慌てて繰り返すと、「京都府伊根町」という人口2000人ほどの町の中学生(40名程度)にワクチンを接種することに対して、町に多数の抗議が寄せられ、中には「人殺し」とか「殺すぞ」といった脅迫めいた内容も含まれていた。ところが、それは、「ワクチンのリスクを過度に警戒する人たちがインターネット交流サイト(SNS)で呼び掛け、集団で電話している」とのことで、その抗議対象は全国に広がりつつあるという。

私がそれを配信した翌日には、

ワクチン敵視、背景に疎外感 「反対派」レッテル貼り危険―専門家「互いに尊重を」》(※1)と題する記事が時事通信から配信された。

そこでは、同じ気持ちを共有する仲間にSNSで呼びかけて集団で抗議するという現象に対して、

 》ワクチンへの不安や警戒感だけでなく、

 》そうした気持ちを理解されない『疎外感』がある

という専門家の分析を紹介して、

 》社会が不安に寄り添わず、親身に話を聞いてくれるのはカルト集団や

 》陰謀論者だけ、という状況は非常に危険だ

とも警告している。

この記事によると、SNSでワクチンの危険性を呼び掛ける人たちの投稿には

 「接種すると遺伝子を組み換えられる」

 「不妊の原因になるとファイザー社が認めた」

 「打つと5G電波で操られる」

 「体が磁力を帯びる」

といった巧妙なデマや荒唐無稽な主張も見受けられるとのこと。

でも、ワクチン自体は「100%安心」なものではないし、「子どもには打つべきではない」という警告は、科学的な観点からも発せられている。

だから、「(自身の判断が未熟な段階の)子どもに接種させてはいけない」と警告したいという正義感は、決して「疎外」してはならない。それは、60年以上前に化学工業(農薬)や原子力の危険を訴えた(今では当たり前になった)正義感が当時の世の中に直ちには浸透しなかったことと通じるのだ。

ワクチンの接種は、そのリスクと効果とのバランスを天秤にかけて、各自が自身の判断で選択すべきもの。それは、ガンが見つかったときに切除手術するか化学療法や放射線治療を行うか、はたまた保存療法(何もしない)を選ぶのかという、治療法の選択と同等なのだ。

今回のワクチンは、人類が初めて実用した遺伝子(RNA)ワクチン。

「人体実験」と揶揄する方もいるし、「人類の危機」と心配する考え方も十分に理解できる。

私だって、地球の危機や人類の危機には無関心ではいられない。

それでも私は、「ワクチンを打ちたい方が安心して打てる環境」を保証すべきだと思う。

地球の歴史(40億年)から見ると人類の歴史(現生人類は10万年)は極めて短く泡沫的だし、

人類の歴史から見ると私の人生は極めて泡沫的なのだから、

人類や地球の危機を憂えるよりも、今生きている私たちの人生を豊かで実り多きものにすることに執心したい。

※1:《ワクチン敵視、背景に疎外感 「反対派」レッテル貼り危険―専門家「互いに尊重を」》、https://www.jiji.com/jc/article?k=2021062000213&g=soc

 Wasedaウェルネスネットワーク会長・中村好男

 http://wasedawellness.com/

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