先週配信した「京都府伊根町」への「けしからん抗議」については、「背景にSNS」という続報があった(※1)。
「ワクチンのリスクを過度に警戒する人たちがインターネット交流サイト(SNS)で呼び掛け、集団で電話している」とのこと。その講義対象は全国に広がりつつあるという。
「副作用を警戒する人たちがSNS上で同じ意見の人の投稿ばかりを目にするうち、極端な反ワクチンの考えに陥っていくケースがある」
という専門家の意見が紹介されていた。
この報道を目にした当初、私は、そのSNSが200人程度のグループで、扇動に乗っかって過激な抗議活動を連携しているのだと思っていた。しかし、一昨日配信された「“ワクチン反対派”集団の特性」(※2)という記事を見て、そのようなSNSはどうやら一つや二つではなくて、さまざまなSNSコミュニティがあるらしいということが推察された。
「今はワクチン推進派が大半を占めている。新型コロナを抑える有効な手立てとして、推進派の声が大きくなるほど、一方でワクチンに対して不安や不満を持っていたり、恐れている人は仲間を見つけて連携し、『一緒に抗議をしよう』といった行動になる」
とも指摘されていた。
もちろん、少数意見だからといって切り捨てるようなことは絶対に許されないけれど、そのような「行き過ぎた抗議」も許されることではなかろう。でも、このような「感情的な対立」は、それを「推進派と反対派」あるいは「対立」と表現したとたんにその行動までもが尊重されるきらいがあるから要注意だ。
私は「ワクチン反対派」の思想自体については非難するつもりは毛頭ないが、それが「脅迫的行動」にまで発展していることについては「けしからん」と断言したい。
「ネット上で扇動する人がいて、それに乗る人がいる。『一緒になって抗議をしましょう』といった行動は完全に否定されるべきものじゃない。しかし、そのグループの中だけで感情的なやり取りが行われると、どうしても相乗効果的に行動や判断が極端になってしまう。」
という専門家の指摘を目にしたとき、もしかしたら、「オリンピック反対派」や「居酒屋規制徹底主義者(自粛警察)」のような人たちも、SNSなどでつながって「抗議」を連携しているのかもしれないと、妙に納得したのだった。
「コロナ禍による社会不安やストレスもこうした考えが広まる背景にある。一方的に否定しても逆効果なので、不安を丁寧に聞き取りながら、正確な情報の発信を積み重ねていくしかない」
とのことなので、「オリンピック反対」とか「アルコール禁止」などと主張する人たちも、「ワクチン反対」と叫ぶ人たちと同様に「社会不安やストレス」が背景要因となっているのだろうか。
もしかして、「感染不安を煽り続けている人たち」が最大の扇動者なのかもしれない、とふと思った。
※1コロナワクチン、年少者接種に抗議殺到 戸惑う自治体、背景にSNS―過激化も
※2「死刑です」議員に“脅迫電話” SNSで連携攻撃呼びかけも…“ワクチン反対派”集団の特性
Wasedaウェルネスネットワーク会長・中村好男