先週月曜日。久しぶりにゴルフに出かけた。一緒に回った3人連れとは初対面だったのだが、とても気さくな方々で楽しいゴルフを堪能できた。
3人のうちお二人(Aさん&Bさん)はお医者さんで、もう一人(Cさん)はBさんのお友達(不動産業に従事)。Cさんが、「その日の夜は銀座で接待」というようなことを口にしていたので、私が、
「アルコールを出す店があるのですか?」
と尋ねたら、それなりの(協力金に縛られない)店は、それなりに営業しているとのこと。
「カモスタットがありますから」
と、訳の分からないことを宣う。
それは何かと私が尋ねたら、医師のAさんが、
「コロナ感染を予防する薬で、私たちは昨年春からずっと服用していました。」
とのこと。今はもうワクチンを接種したので不要になったけれど、感染予防薬として知り合いにわけているのだとか。CさんもAさんからもらったカモスタットを毎日3回服用して、不自由のない仕事や生活を送っているらしい。
プレーの合間だけなので、あまり詳しくは聞けなかったが、Aさんが教えてくれたことによると、日本(小野薬品)で開発した膵臓(すい炎)の薬だったのだけれど、ウイルスを受け入れるレセプターの入り口をブロックする作用を持っていて、ウイルス感染防止効果は(副反応として)以前から知られていたとのこと。それがコロナウイルスにも感染防止効果を持つことが昨年春に(最高峰の)医学雑誌に掲載されたようで、医者の間では(感染予防のために)広く使われるようになったらしい。
もちろん、一般の方(膵臓に疾患を持たない方)に対しては適応ではないので、むやみに処方箋を出すわけにはいかないと思ったのだが、要望があれば出してあげているらしい。1錠が30円ほどで、服用してから5時間ほどは効き目が続くらしい。寝ている間は感染しないので、「1日3回」飲めば足りるとのこと。
それはさておき、私は日ごろから、スポーツイベントで観客の感染防止のために関係者が苦労しているのを知っていたので、入場者に1錠ずつ入口で手渡して飲んでもらうようにすれば、少なくとも「競技場内での感染」は防止できるのではないかとのアイデアが浮かんだ。
そうすると、次なる疑問は、どうしてこの情報が広く知られていなかったのだろうかということ。なにしろ、イベルメクチンやレムデシビルなどの薬名を知っていた私も、このカモスタットの効果については全く知らなかったからだ。これまでの私は「単なる知ったかぶり」だったのだろうかとさえ落ち込んだ。
早速調べてみると、昨年の4月16日発行のCellという(科学界でトップ3に挙げられる)科学誌に、その治験データが掲載されていた。その後も数々の追試が続き、今年2月に分子生物学分野の国際誌に刊行された「コロナ感染のメカニズムと治療」という解説論文でも、その効果が示されていた。
ますます不思議に思ってGoogle検索してみると、どうやら小野薬品ではコロナ感染予防の効果を適応追加するための治験も行っているらしい。さらに驚いたことに、週刊新潮の4月29日号で、「カモスタットで命を守る」と報じられていたのだ。電車の中吊りをサーチするだけで知ることができたような情報を知らなかったことに、ただただ恥じ入った次第である。
でも、
1)「カモスタット」という感染予防薬があること。
2)「カモスタット」を飲めば、感染を恐れずに自由な生活ができること。
3)でも、それは、あまり多くの方々には周知されていないということ。
が分かったことは、今週の一番大きな収穫だった。
まあ、ワクチンを接種すれば、このような予防薬は不要になるのだけれど、そもそもがウイルスの入り口をブロックするのだから「変異株」であろうが全く気にする必要はない。
「ワクチン接種しても変異株があるから」などとずっと不安を抱き続ける方には朗報だ。
まだワクチン予約が取れていないとか、ワクチンを打っても変異株が怖いと思ってるとか、マスクしてない人に怒りを感じるような心持になるようであれば、かかりつけ医に出向いて「カモスタットをください」と頼んでみてはいかがだろうか。
Wasedaウェルネスネットワーク会長・中村好男