さて、前回は、「飲み会会場」としてのゼミ室の機能と進化について述べてしまったが、もちろん、「研究室」としての機能が最も重要な所。
テーブルや椅子だけでなく、プリンタやインターネットルータなどなど、研究室としての基本設備も当初から抜かりなく整えていたし、筆記具や糊・ハサミ・カッター・ホチキスなどの文具小物も一揃。
もちろん、事務処理用の印鑑セットや郵便切手類も用意。プリンタのトナーや紙などの消耗品は、その都度、所沢の研究室に常備しているものを木曜日のゼミで早稲田に移動する際に運んでくる。
それまでは、(終日早稲田で仕事がある場合を除いて)毎日のように所沢に出勤して研究室で仕事していたのだが、早稲田研究室で仕事を始めるようになってから所沢キャンパスに出向く機会は週2~3回に半減した。
でも、事務手続きや打合せなどは、所沢に出向かなければならないので、授業や会議で出校するのに合わせて行うように調整して、徐々に早稲田研究室での滞在時間が増えていった。
最も嬉しい変化は、通勤時間が減ったこと。
自宅から所沢キャンパスまでは、電車とバスを乗り継いで正味80分ほど。
でも、バス道路の混雑や待ち時間など、実際には片道90~100分ほど要していた。
それが、自宅から徒歩20分程度に縮まったのは、おおいなる時間の節約になるし、車内の混雑のストレスもない。
そうやって、2年ほどの間すごしてきて、所沢と早稲田の研究室の状況と私の生活習慣もすっかりと落ち着いてきていた。
そんな折に、昨年春の《コロナ》の襲来。
2月末に「卒業式と入学式の中止」が発表された頃には、簡単な対応で済んでいたのだが、いよいよ緊急事態宣言が発出されるという4月2日になって、「キャンパスへの入校禁止(自宅勤務)命令」ならびに「春学期の授業はすべてオンラインで」との通知があった。
私の大学院(社会人)ゼミは、春休み中も続けていたので、3月までは予定通りに行っていたし、4月になっても「社会人コースの例外措置」として教室授業を行ったたのだが、4月下旬からは(私の準備が整ったために)オンラインで行うようになった。
もちろん、5月13日からの通常授業は、すべてオンライン。ほとんどの教員は、(キャンパス入校禁止のために)自宅から授業を行っていたようだ。
私はと言えば、当然ながら早稲田の研究室でオンライン授業。
所沢の研究室は《入校禁止》なのだけれど、私が個人で賃借しているアパートは《キャンパス》ではないので自由に使うことができる。
オンライン授業に完璧を期すために、予備ルータやカメラ・マイク等の機器も購入設置する必要があった(それを自宅勤務中の所沢事務所とやり取りするのに若干の面倒はあった)けれども、妻や自宅テレワークになった息子の声を気にすることなく、一人静かな環境の中でしっかりと声を出して授業(学生とのやり取り)を行うことができた。
さすがに、私一人がパソコンに向かうオンラインゼミを行っていた「春学期」の間は、「飲み会」は行わなかったし、大学自体が「対面ゼミ」を推奨した10月以降も、「学生の飲み会禁止」は継続していたので、学生との飲み会は自粛したが、教室が使えない期間中も「研究室ゼミ」が実施できたことは、早稲田研究室を賃借していた賜物である。
なによりも圧巻は、今般(今年1月から)の緊急事態宣言。
発出期間中はいろいろと制約も多かったけれども、(飲み会は別として)早稲田研究室を基盤とした私の本業は何ら制限されることなく、滞りなく進めることができた。
《大学》という組織に依存していた私の仕事環境は、《大学組織》があたふたしても盤石になったともいえる。もしかしたら、退職後も変わらずに仕事できるかもしれない。
思えば、3年半前の11月3日。突然思い立って「アパート」を探し始めたことが、今般の《コロナ禍》にもゆるがない仕事(生活)の基盤となったということ。
「借りてて良かった!」と思える私は、本当に幸運だ。