WWNスペシャル通信~(1月18日)「治らないのなら方法を変えなければだめ」

昨日は魚住サロン。

昨年11月に開催予定だった「Tさん、Kさん」を対象としたサロンを2か月遅れで実施した。

11月は、それまでの津田さんと魚住先生とのやり取りを踏まえて、「自主勉強会」という位置づけで挙行し、Tさんの状態を改善すべく皆が知恵を絞ったのだが、「リハのどこにどのような問題があったのか」ということに明確な説明にはいたらず、そもそもの、

 「リハに問題がある」

という魚住先生の結論に到達することはできなかった。

今回のサロンは、冒頭で私から「(リハにどこに問題があったのかの)答えを知りたい」と宣言して始まった。

が、魚住先生は淡々と小林さんの症状にアプローチ。

まずは、スクワットをしてもらう。

 「これはだめですね。膝関節がブロックされてます。」

 「膝を曲げていくときに大腿骨が滑っていない。」

 「筋肉が固いと膝の曲げ伸ばしで融通が利かない」

という。この状態でスクワット(トレーニング)しても、筋肉が固くなるだけで痛みが取れないとのこと。

Kさんの場合、仕事がら肩から上体が緊張しているので、まずはその緊張を解かなければならない。

ということで、仰臥位(仰向け)姿勢で両ひざを立てて、腰部(骨盤)の両端に手を当てて左右に軽くゆすり「骨盤をゆする」。その後、ウエスト(大腰筋部)~肋骨(胸椎)~頸部と少しずつ揺さぶりながら上体各部を緩ませる。さらに、骨盤~臀部~大腿外側~膝~足首と下肢の緊張を取り除いたうえで、膝の自然な動きを誘導するようにして屈曲を導く。

 「本人が(自然な位置に)気づいていけば勝手に緩んでいく」

 「関節が曲がらないときに『何故か?』と考えればよい。関節を曲げようとしてもダメ」

そのように、自然な動きを誘導していって、最後は右踵が尻に触れるまでに膝が屈曲した。

結局のところ、Kさんは、

 1)日常動作やトレーニングの中で筋肉を固くしていった。

 2)硬いままいろいろと動き、リハでも硬いまま動かそうとする。

 3)「このように曲がらなければいけない」という《動きの目標》)が優先されて、自然な動きができなかった。

これが、私が求めていた「リハの問題」であった。

そのうえで、魚住先生のアプローチとしては、

 4)最初は、緩めるところから始めた。右が痛いから膝(尻も)が固まっていたので、右側骨盤を緩めて、両腹~肋骨~肩というように上体を緩めていった。

 5)上体が緩めたうえで下肢(腰~太腿~膝)を緩ませていって、膝が自然に動ける方向に動くように膝に教えてもらう。踵が尻につくようになるまで膝がリラックスできた状態になった。

 6)足首~腰~上体~肩までがリラックスできたところで、立位に。前後・左右が均等中立になっていることを確認してスクワット。

 7)自然な無理のない歩行動作を教示。

という順序で進められた。

結局のところ、「リハに問題がある」というメッセージは、

 「治らないのなら方法を変えなければだめ」

ということを含意していたのだが、

 「痛い、膝が曲がらない」

という状態を前にして、

 「膝を曲げるようにしたい」

という目標を立てるのなら、

 「膝の屈曲を妨げている原因」

を取り除くアプローチをしなければだめということ。

今回の魚住先生の主たるアプローチは、

 ・緊張を取り除く(緩める)

 ・関節の自然な動きを導く

という2点だったのではないかと感じた。

当初は、「ACL手術後の膝腰の不調に向き合う」という大きなテーマを掲げていた。

今回取り組んだアプローチは、「膝を曲げる」という小さな課題に過ぎないのだが、「リハビリの目的」を明確にして、目標達成に適ったアプローチを行うという当たり前のことに気づかされた次第である。

【告】次回魚住サロンは「3月21日」に実施します。(内容未定)

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