昨日は魚住サロン。
昨年11月に開催予定だった「Tさん、Kさん」を対象としたサロンを2か月遅れで実施した。
11月は、それまでの津田さんと魚住先生とのやり取りを踏まえて、「自主勉強会」という位置づけで挙行し、Tさんの状態を改善すべく皆が知恵を絞ったのだが、「リハのどこにどのような問題があったのか」ということに明確な説明にはいたらず、そもそもの、
「リハに問題がある」
という魚住先生の結論に到達することはできなかった。
今回のサロンは、冒頭で私から「(リハにどこに問題があったのかの)答えを知りたい」と宣言して始まった。
が、魚住先生は淡々と小林さんの症状にアプローチ。
まずは、スクワットをしてもらう。
「これはだめですね。膝関節がブロックされてます。」
「膝を曲げていくときに大腿骨が滑っていない。」
「筋肉が固いと膝の曲げ伸ばしで融通が利かない」
という。この状態でスクワット(トレーニング)しても、筋肉が固くなるだけで痛みが取れないとのこと。
Kさんの場合、仕事がら肩から上体が緊張しているので、まずはその緊張を解かなければならない。
ということで、仰臥位(仰向け)姿勢で両ひざを立てて、腰部(骨盤)の両端に手を当てて左右に軽くゆすり「骨盤をゆする」。その後、ウエスト(大腰筋部)~肋骨(胸椎)~頸部と少しずつ揺さぶりながら上体各部を緩ませる。さらに、骨盤~臀部~大腿外側~膝~足首と下肢の緊張を取り除いたうえで、膝の自然な動きを誘導するようにして屈曲を導く。
「本人が(自然な位置に)気づいていけば勝手に緩んでいく」
「関節が曲がらないときに『何故か?』と考えればよい。関節を曲げようとしてもダメ」
そのように、自然な動きを誘導していって、最後は右踵が尻に触れるまでに膝が屈曲した。
結局のところ、Kさんは、
1)日常動作やトレーニングの中で筋肉を固くしていった。
2)硬いままいろいろと動き、リハでも硬いまま動かそうとする。
3)「このように曲がらなければいけない」という《動きの目標》)が優先されて、自然な動きができなかった。
これが、私が求めていた「リハの問題」であった。
そのうえで、魚住先生のアプローチとしては、
4)最初は、緩めるところから始めた。右が痛いから膝(尻も)が固まっていたので、右側骨盤を緩めて、両腹~肋骨~肩というように上体を緩めていった。
5)上体が緩めたうえで下肢(腰~太腿~膝)を緩ませていって、膝が自然に動ける方向に動くように膝に教えてもらう。踵が尻につくようになるまで膝がリラックスできた状態になった。
6)足首~腰~上体~肩までがリラックスできたところで、立位に。前後・左右が均等中立になっていることを確認してスクワット。
7)自然な無理のない歩行動作を教示。
という順序で進められた。
結局のところ、「リハに問題がある」というメッセージは、
「治らないのなら方法を変えなければだめ」
ということを含意していたのだが、
「痛い、膝が曲がらない」
という状態を前にして、
「膝を曲げるようにしたい」
という目標を立てるのなら、
「膝の屈曲を妨げている原因」
を取り除くアプローチをしなければだめということ。
今回の魚住先生の主たるアプローチは、
・緊張を取り除く(緩める)
・関節の自然な動きを導く
という2点だったのではないかと感じた。
当初は、「ACL手術後の膝腰の不調に向き合う」という大きなテーマを掲げていた。
今回取り組んだアプローチは、「膝を曲げる」という小さな課題に過ぎないのだが、「リハビリの目的」を明確にして、目標達成に適ったアプローチを行うという当たり前のことに気づかされた次第である。
【告】次回魚住サロンは「3月21日」に実施します。(内容未定)