WWNウエルネス通信 (10月11日):「自粛バカ」

 先週日曜日。前回記載した品川健康センターでの健康講座に向かう途中、品川駅で時間つぶしのために構内書店を覗いた。入口正面に「売上No.1」とのポップが付されて表題の書籍(池田清彦著、宝島新書)がカバーを前にして何冊も横に並んでいた。その下には、平積みで何段にも並べられていて、もしかしたら一日に100冊以上売れるような勢いなのではないかと感じた。

 面白そうだったので、帰宅後にいつもの書籍購入サイト(HonyaClub)から購入しようとしたところ「品切れ」。8月20日に発刊したばかりで、書店には夥しく積まれていたのだから、増刷が間に合わなくて、卸への配本が間に合わなかったのだろう。こんなことなら、店で買っておけばよかったと悔やんだのだが後の祭り。次に品川に行くのは2週間後なので、しばし保留にした。

恨めしくもAmazonの宣伝文句を見ると、次のように記載されていた。

『ホンマでっか!? TV』でおなじみの生物学者・池田清彦氏が放つ痛快エッセイ。自粛警察という同調圧力、感染者は徹底的にゼロを求めるリスクゼロ幻想、なんとなく多数派にのる政府と国民……コロナ禍で明らかになったのは日本の過剰な「ことなかれ主義」だった。他人にも自らにも過剰に「自粛」を求める結果が、現在の日本社会の閉塞感とも言える。日本という国が「後進国」になってしまった原因はここにある。

Amazon「自粛バカ」

しょうがないから(というわけでもないが)、同じ書店で見かけた、

「同調圧力 日本社会はなぜ息苦しいのか(講談社現代新書)」

を注文した。こちらの方は、鴻上尚史氏と佐藤直樹氏の緊急対談とのことで、上記書(エッセイ)とは違って少し硬派な書籍のようだ。Amazonの解説は以下の通り。

新型コロナウイルスがあぶり出したのは、日本独自の「世間」だった! 

長年、「世間」の問題と格闘をしてきた二人の著者が、自粛、自己責任、忖度などの背後に潜む日本社会の「闇」を明らかにする緊急対談!

Amazon「同町圧力」

じつは、この二つともまだ読んでいない(手元に届いてない)ので、Amazonの解説でごまかす無礼をお許しいただきたいのだが、おそらく(間違いなく)今般のコロナ騒動であぶりだされた日本社会の愚かな風習が風刺されているものと思う。

 私も、3月以降しばらく、(コロナウイルスに関する)本当の想いをしゃべったり書いたりできなかった日が続いたのだが、多くの識者も同様だったのだろう。緊急事態宣言が明けたあたりから、少しずつ類似の主張が著されるように見受けられたが、夏が過ぎてようやく、「自粛騒動の愚かさ」が喧伝されるようになり、またそれを読みたいと思う人々が増えてきたのだと思うと、とても心が落ち着いた。

 まだ自分で読んでもいない本を紹介するのも失礼な話と承知しているが、ぜひとも皆さんにも勧めたい。

コロナ騒動の本当の《禍》は、ウイルス自体にあるのではなく、ウイルスに対峙する人々の心の中にあるのだから。

 そう思いながら、Amazonの画面に現れた

 「本当のことを言ってはいけない (池田清彦著、角川新書)」

も、ついでにクリックしてしまった。

コメントを残す