WWNウエルネス通信 (8月16日):「自分の生活の反映が今の健康」

 今、私は那須に滞在している。

 先週の日曜日は、矢野さんと松井君(2003年中村ゼミ卒業生)が来訪し、WWN活動の核心ともいえる「中村好男の世界」の普及構築のプランニングに没頭していたため、配信を休んでしまったが、水曜日からは平常に戻って、いつもの「中村好男の世界」に没頭している。

それはさておき、ちょうど那須に持ってきた本の中から、野口晴哉著「整体入門」を読み直していたところ、以下の文章に出会った。

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 よく「健康にしてもらいたい」という人がおりますけれども、健康というものは自分で産んでいかなくてはならない。人からもらうものではない。自分で運動を調整して自分で作っていく。自分の生活の反映が今の健康なのです。自分の体の使い方の結果が今の健康である。異常なら自分の生活の結果が異常なのです。だから異常を起こしてそれを治そうとするなら、体の使い方を改めなくてはならない。

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 なるほど、その通り。というかこれが、私がWWNで伝えようとしていた「健康」であったのだと、改めて感じいった次第。

 野口晴哉さんは、野口整体の創始者で、私が子どもの頃にすでに鬼籍に入っている方なので、私はお会いしたこともない。本書が刊行されたのは50年以上前(1968年)で、まだ、フィットネスはおろかエアロビクスという概念さえ生まれてなかった頃のこと。「気をおくる」とか「心で気の集散を自由に行う」などの表現は、現在の社会全般に蔓延している「科学的考え方」からはなかなか受け入れられなかったのだろうが、これほど有名で影響力をもたらした(と私には思える)野口晴哉氏の思想なのに、あえて私がここに再掲したくなるということは、その内容については日本社会にはほとんど浸透していないということなのではなかろうか?

そのような現況を思うと、私などがいくら「健康づくり」を標榜しても、皆さんの心に染み入ることはとてもとてもむずかしいことなのではないかとさえ覚悟した。

 ところで、ここでいう「自分の生活の反映が今の健康」という思想は、1990年代に日野原重明氏によって「生活習慣病」という標語にまで昇華して、厚生行政の中にも位置付けられたし、いまでは当たり前のように皆が知悉している言葉だと思うのだが、いったいどれだけの方々が「自分の体の使い方の結果が今の健康である」あるいは「それを治そうとするなら、体の使い方を改めなくてはならない」と認知しているのだろうか?

 もしかしたら、「生活習慣病」を治す方法として、薬や医療に依存している方の方が多いのではないかとも憂いながら、那須での日常を過ごしている。

 Wasedaウェルネスネットワーク会長・中村好男

 http://wasedawellness.com/

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