フィットネスは今、新しい時代を迎えようとしている。
1968年に著された「エアロビクス」をきっかけとして、フィットネスのうねりは世界中に広がり、1979年には日本に上陸。その後、フィットネス施設・機器の充実期、生活習慣病をはじめとしたパーソナルニーズへの対応期を経て、ICT 革命に洗われる社会変革の中で、フィットネスは新しい時代を迎え、指導者にも新たな知見が期待されるようになった。
1983年に設立されたAFAA (Athletics and Fitness Association of America)は、その正しい知識と技能を伝搬する教育機関として数々の指導者育成機能を席巻し、これまでに数多くの優れたフィットネス指導者を世界中に輩出してきた。そして、その日本での普及を担ってきたAFAA-Japanは、5年前からJapan Wellness Innovation(JWI)という看板を掲げて、日本を中心としたアジア地域のフィットネス教育を先導している。
そのInnovationの一つが、このコラムが掲載されている「JWIコネクト」であり、今週から始まる「JWI ONLINE FES」も、その革新の一コマと期待している。もちろん、中核の教育プログラム(セミナーなど)も、昨年からオンライン化が進んできていたのだが、AFAAが展開するIGFI(International Group Fitness Instructor)という最先端の指導者資格の教育プログラムも、今春からオンラインでリリースされており、オンラインプログラムに関しても、JWIが日本のフィットネス教育を先導しているといっても過言ではない。
そんな中、今回の“コロナ禍”が発生した。
フィットネスクラブ(ジム・スタジオ)は軒並み自粛休業を余儀なくされたが、一方で、オンラインでのフィットネスプログラムが巷間にも広まりつつあることは、この記事を読む皆様もご承知のことと思う。
「対面プログラムができないからオンラインでやらざるを得ない(収束すれば元に戻る)」と考えている方々もいるようだが、勘違いしてはいけないのは、今回の「オンライン化」は、新型ウイルスが世間を騒がせた今年1月よりもずっと前から開発されて広く公開されていたものであるということ。つまり、今般の「オンライン化のうねり」は、コロナのせいで普及したのではなくて、コロナ騒動を《きっかけとして》普及が加速したに過ぎないということだ。つまり、コロナが来ようが来まいが、この「オンライン化」は進んできていたし、オンライン化への転換は時代の要請だったということなのだ。
その「時代」とは、スマホの普及や5G・AI・VRなどといったICTの革命的変革を基盤とするものであるが、同時に、フィットネスの理論的基盤についても、今世紀に入ってからじわじわと革新が進んでいて、フィットネスの世界も、いよいよ第五世代(5G)に突入する直前のタイミングに達していたのである。
そんな、「フィットネスの新時代」に、私たちのフィットネスがどのように変わっていくのか、また変わっていくべきなのかについては、次回以降に解説したい。
(JWIコネクトに連載中。閲覧はアプリから→ https://yappli.plus/jwi_sh )