前回の本通信では、私の「テレワーク」について紹介した。
「在宅勤務」なのだから、学内の会議もすべてWebで行われる。先週の火曜日に10人程度のメンバーでの最初の会議があったのだが、内容はともかくとして、ひげを生やしていた方が数名いたのが印象的だった。ずっと自宅で仕事をしていると、装いが気にならないのだろう。これまでは、「会議」といえば身なりを整えて参加するのが常識だったのだが、じつは「会議」の中核は「会話の内容」であって装いとか緊張感などというものは、会議の本質なのではないのかもしれない(本当??)。
翌日、学会関係のWeb会議の後に、ラインのビデオチャットを利用して「Web飲み会」を開いた。「飲み会」といっても、各自が目の前にパソコンやスマホを置いて、各自が用意した飲み物や肴を飲食するだけなので、交わされる(共有される)のは「おしゃべり」だけ。飲食物が共有されることはない。つまり、もしかしたら飲み会の場合も、その中核は「会話」であって、飲食物や酩酊は単なる附随要素というか文字通りの「肴(アテ)」に過ぎないのかもしれない(そんなバカな!?)。
このように考えていくと、実は今まで当たり前に思っていたイベントも、オンラインで伝わるのはその《中核》だけであって、附随要素(装飾)を除いたスリムな《本質》だけが残っていくということなのだろうか?
昨今は、早稲田大学だけではなくすべての大学で(あるいは小中学校の一部でも)授業のオンライン化が進められている。これは、新型ウイルスが流行ったことで《やむを得ず転換》したというよりも、それまで進められた技術革新の過程の中で進められてきた「オンライン教育」という技術が成熟して汎用化できるようになっていたからこその《転換》なのだと思う。だから、ウイルス禍が去った後も、この流れは元には戻らないと確信している。もちろん、オンライン(Web空間)で展開されるプログラムは、現実空間で展開されるプログラムとは全く異質のものだから、実際の教室空間で行われる授業がなくなることはないだろうけれど、これまでのように《対面授業》を必須の要素とする雰囲気(規制)は緩和されるのではないかと思う。
フィットネスの世界でも、昨今のご時世ではオンラインのインストラクションやチャットが数多く活用されているのだが、きっと、フィットネスクラブなどの有様も大きく変革するだろう。このWasedaウエルネスのプログラムも、オンラインになったらどのようなものになるのだろうか?
まさか、「ウエルネスウォーク」もオンラインになったりするのだろうか?
Wasedaウェルネスネットワーク会長・中村好男