本日は、魚住サロン。昨年は隔月で6回開催され、最近では「本当の問題解決技法を学ぶ」と題して、様々な身体症状に対する魚住先生の《診立て》と《問題解決アプローチ》を学んできた。
これまでは、腰痛や股関節痛・肩痛など高齢者が抱える諸症状を対象とすることが多かったのだが、今回はアスリート。オリンピックを目指す大学3年生の陸上競技跳躍(3段跳・走幅跳)選手《小田大雅君》の資質を開花させる技法を学ぶ。まだ日本選手権にも出場したことがない選手で、オリンピック出場までは3段跳の記録を1m程度伸ばす必要があるのだが、矢野さんがその身体能力の可能性を見出して魚住先生に相談。当初は、「4年後のオリンピック」と言っていたのだが、もしかしたら今年の日本選手権~東京オリンピック出場の可能性もあるのではないかとのことで、急遽WWNサポートプロジェクトが始動することとなった。
ところで、魚住先生は「自然体」に注目して、「自然体をどのように取り戻せるかを追求」することを研究・実践テーマとしている。もちろん、そもそも「自然体とは何か」ということがその前段に問われるのであるが、これまでの魚住サロンで取り組んできた様々な身体症状に関しては、習慣的な生活行動の中で育まれ形成されてきた身体アライメントの歪によって起こることを目のあたりにしてきた私としては、それらの歪のない状態が「自然体」なのではないかと想像している。でも、単に身体アライメントだけの「自然」なのではなくて、心の持ちようや意識も含めて、「自然に振舞うこと」も含まれているのだとも感じる。
もちろん、ここで言う「自然体」は、単にその状態を理念的に提示するだけではなく、「如何にそれを獲得できる(取り戻せるのか)」ということとセットになっていないと意味がない。ところが、実際のところは「生活習慣に起因する行動や姿勢」はなかなか治らないので、「治し方」を提示したとしても、これまでの長い生活履歴・習慣の中で形成されてきた《痛み》はなかなか解消しないのが通例である。これまでに私たちが対処アプローチを施してきた方々の中にも「相変わらず痛みが取れない」と漏らす方も多い。中には、様々な治療院やクリニックを巡り続ける方もいる。一方で、「腰痛の85%は病院では治らない」という記事などを目にすると、治らないことが当たり前だと思っている私にとっては逆に「病院で治る方が15%も存在する」ということの方が驚きだ。
「痛みのない身体=自然体」なのだとしたら、「自然体を取り戻す」ということがいかに困難なことなのかとの思いを強くするし、「自然体の回復」を多くの人々に広めたいとの思いを、魚住サロンの朝に篤く感じた。
Wasedaウェルネスネットワーク会長・中村好男
