「もも裏歩きでひざの痛みがたちまち消えた」

(2019年12月8日配信)

表題のタイトルに惹かれて同書(現代書林、2019年5月刊)を購入した。

著者は高木広人氏。江東区白河で整骨・整体の施術院を開業し、23年間にわたって多くの患者さんの痛みを治してきたという。ひざの痛みで来院する方も多く、「施術で痛みを楽にするのは難しくない」とのこと。ただ、1週間後に来院した際にはほとんど症状が元に戻っていたのだという。調子が良かった状態が何日くらい続いたかと問うと、最初のうちは「4日間くらい」と答えていた患者さんが、月日が経つと「2日間くらい」という返事になり、

「同じ施術を行っても、良い状態が長続きしなくなっている」

ということに気づいたという。自分でできる筋トレやストレッチの指導も行ってきたが、どれだけ指導しても、結局はひざがダメになっていく患者さんを多く診ていて「悔しい思い」を抱えていたとのこと。そして、

「誤った生活習慣を根本から改善しなければ治らない」

との思いのもとで、最終的に注目した生活習慣が《歩き方》。「ひざが痛い人は、歩き方が間違っていた」ということに気づいたという。そして、「正しい歩き方」を研究して「もも裏歩き」にたどり着いたとのこと。

ところが、その正しい歩き方(正しい筋肉の使い方)を言葉で説明してもなかなか理解してもらえなかったとのこと。

「患者さんに理論と実践の両方をわかりやすく教えなければならない」

との思いから、

「施術だけではダメだ。正しい歩き方を一般に広め、そのことを通して生涯を幸せに送れる人を増やそう」

と決心したのだと言う。

これを読んで、私がこの2~3か月の間、沈思熟考・試行錯誤でたどり着いた「楽な歩き方」とそれを広める必要性について、それを研鑽して実践していた人がいたのだということに、わずかながらの驚きと共にとても嬉しく感じた。

もちろん、ここで言う「正しさ」は、あくまでも「膝の痛みを患う高齢者や、そのリスクを抱えた歩き方をしている人々」に対する「ひざ痛の予防・治癒」の観点からのもので、「心肺機能向上や体脂肪減少」を目指す「フィットネスとしてのウォーキング」を志向する方を対象とするものではないのだけれど、正確を期そうとするあまり持って回った言い回しをする《精確さ》にこだわらずに、シンプルな「正しい/間違い」と断言することで《わかりやすさ》を第一義に打ち出す著者の勇気と覚悟にも敬意を表したい。

(長くなるので次回に続けます)

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