先週の日曜日(3月10日)。魚住サロンを開催した。
昨年末から、「トレーニングのウソ本当」というテーマで、巷にあふれる様々な“トレーニング”の目的と効果を検証してきたのであるが、今回(part3)では、ウエルネスウォークのスタッフを務めている《吉田克己さん》にモデルになってもらって、「問題症状へのアプローチ」として魚住先生の“みたて”を披露してもらった。
吉田さんは、以前(2017年10月)の正会員研修会において一度モデルになっていただいて、「起床時に起こる原因不明のお尻の痛み」についてトレーナーメンバーに検証してもらったのだが、最終的に原因が発見できずに、「トレーニングのやり過ぎでは?」ということに落ち着いたのであった。
その後、毎回のウォークには元気にご参加くださっているので、その間特段に気に留めていなかったのであるが、先月、「ところで…」と起床時の痛みについて尋ねたところ、「あれから毎朝苦しんでいる」とのこと。それならば、と今回の魚住サロンにお越しいただいた次第であった。
予め吉田さんの症状と痛みの部位などを知らせておいたのだが、本人を診る前から結論は出ていたようで、事前に送付していた吉田さんの(前後左右の)立ち姿の写真から、「肩が強張っている」との問題を指摘。「上半身がしっかりしているのにお尻の筋肉が貧弱で中臀筋がほとんどない/頭が前方に倒れていて背筋に負荷がかかっている」という身体状態を(写真だけから)解説。
続いて、腋の下から肩甲骨を持ち上げて緩ませた上で、頚椎・腰椎背部と腰部の大転子にテープを張って皮膚を緩ませた。さらには、肩や腰の緩ませ方(軽体操)を指導して終わり。
さらには、臀筋を鍛えるための《そんきょ》の体操を教えた上で、毎日30分以上かけていた起床前の体操と、近所のジムでのトレーニングは「全てやらずとも良い」とのこと。参加者への解説に時間をかけたので、60分以上を要したが、問題の所在が明確になると対処の仕方が明瞭だと感心した。
次に、2週間ほど前にフットサルをプレーしている際に「膝を痛めた」という、正会員の《亀崎孝宏さん》のケース。MRI撮像の結果「内側半月板損傷(擦り傷程度)がみとめられ、膝に水が少し溜まっている」という診断を受け、私に申し出ていただいた(3月1日)時点での膝の状態は以下の通り。
・立位時は膝の不安定感、関節内の圧迫感。
・歩行時に足をついた時に膝が内側に抜ける感じがあります。
・アイソメトリックで内側広筋に力が入らない。
・しゃがみ込みの時膝が90°より深くしゃがむと膝関節内に引っ張られるような痛み。
当人は、「症状が治らなければ、来週、内視鏡検査をすることになっている」とのこと。
早速、魚住先生の“見立て”を披露してもらった。
まずは、歩いている姿を前後・左右から(参加者のために)観察し、歩き方の歪みを指摘。椅子に座った姿勢で膝の屈伸をさせながら、右ひざの膝蓋骨の向きの異常と伸展動作の際に下腿が外向きに動くことを指摘。魚住先生が右膝蓋骨を支えながら正しい動作を何度か誘導したところ、「違和感が無くなった」とのこと。
早速歩いてもらったところ、正常に歩けることを確認。念のため、階段の昇り降りを試してきてもらったが、「もう医者に行く必要はない」と本人が確信するほどに回復した。この間、解説しながら30分余り。「膝の関節内部の異常」を疑わなかった医者の見立てがなんともむなしく感じられるほどの早業だった。