先週の日曜日(12月2日)。魚住サロンを開催した。
今回から、「トレーニングのウソ本当」というテーマで、巷にあふれる様々な“トレーニング”の目的と効果を検証しようとの思いから、魚住先生にご尽力を頂いた。
第一回として、青山学院大学が箱根駅伝で初優勝したときの“山の神”としてデビューした神野大地選手が、二年目のニューイヤー駅伝を目指して昨年12月にコニカミノルタで取り組んだ「トレーニング」を検証。TBSで報道されたスクワットを中心としたトレーニング内容と、コニカミノルタチームの体幹トレーニング、そして、そのルーツとなる中野ジェームズさんの講演内容を見た後で、魚住先生からの解説を拝聴した。
「体幹とは何?」
「なんで体幹を鍛えるの?」
「筋持久力とは何?」
といった基本的な質問(疑問)を投げかけられても、だれも答えられない。
結局のところ、
「マラソン日本記録は5000mを14分40秒(毎秒5.7m)の速度」
「世界記録は14分20秒/5000mの速度」
「このスピードで42km走りぬくためには、トップスピード(5000m)の速さと当日のコンディショニングが最重要」
「スクワットで筋トレして筋肉を鍛えたらスピードが上がるの?」
などなど、“なるほど”と思わせる言葉が連なる。
そのトレーニングが、筋力や筋持久力だけを鍛えているわけではなくて、例えば「辛くなったときにも耐えられる精神力」を培うことに貢献するのだと言い張ったとしても、もはやそれは精神論に過ぎないので、「なぜそれでタイムが上がるのか?」ということに解を出せるのでなければ“科学的”とは言えない。このような、一見“科学的”と思わせる根拠曖昧な説明がまかり通っているのは、新たな科学信仰の賜物かもしれない。「筋力」とか「筋持久力」とか「体幹」といった専門用語が、現実の競技成績を要素分解したものではなくて、単なる机上概念に過ぎないということをあらためて思い知らされた。
その日行われた“福岡国際マラソン”での服部選手の優勝タイムは“2:07:27”であったが、25km手前まで付いて行った神野大地選手のゴールタイムは“2:19:28”。前半(1:03:38)のスピードは「5.52m/秒」で、服部選手は前半同様のスピード(5.51m/秒)で走り続けたのに対して、後半に付いていけなくなった神野選手のスピードは「4.64m/秒」にペースダウンということ。今年の夏からはケニアでトレーニングを積んでいたのに、残念な結果であった。
※ところで、先週(12/5)のウォーキング参加者から、先日郵送したブロンズ通信(外反母趾と痛風)の感想を頂いた。医者の処方薬への不信に対する共感である。曰く、
「長年飲んでいるのに血圧が下がらない(飲み続けても無意味では?)」
とかかりつけ医に問いかけると
「飲んでいるからこの数値に収まっている」と言われたとのこと。
それでも、引き続きその処方薬をやめてはいない(飲み続けている)という。
「巷の薬のウソ本当」というセミナーを、できるものならやってみたいものだ。