昨年12月に、早稲田(新宿区早稲田町)に研究室を開設した。WWNのセミナーを行う26号館と地下鉄早稲田駅の間で、どちらからも徒歩3分程度の至便な場所である。
私の本属がスポーツ科学部(所沢キャンパス)なので、以前から早稲田キャンパス周辺に拠点を持ちたいと思っていたのだが、WWNの活動も活発になったことから思い切って民間アパートの部屋を借りて机・椅子・書架などを整えたのだった。ちょうど、「食の研究会(いつまでもおいしく食べる研究会)を定期開催する計画もあったので、冷蔵庫・レンジ・調理器具一式も揃えて、「ナイトサイエンス(“飲食付き研究会”の総称)」とともに「調理&食の実験」を行えるようにしている。
参加している各々は「単なる飲み会」と誤解する方も多いのだが、ゼミの後の“飲み会”の場として活用することで、教育プログラムにおける“飲み会の意義と役割”を実践検証する上でも役立っている。
それはさておき、なぜ今回の話が「洗顔フォーム」の続きなのかというと、「調理のできる研究室」なのだから、当然のことながら「食器洗い洗剤」も常備していて、前回の記事を書いた後で、ふと研究室のシンクを見ると、ちょうど食器洗い洗剤のボトルが空になりかけていたのに気づいた。もちろん“詰め替え用”も常備しているので補充したのだが、半分ほど満たしたところで、ふと「残りを水で薄めたらどうなる?」と思い立って、水で(2倍に)薄めてみた。すると、従前よりも(薄まった分)洗剤が出やすくなったし、スポンジに付けて洗った感じ(泡立ち)も良くなったように感じた。その隣に置いてあった「泡出し用のボトル」もほとんど空になっていたので、こちらの方は「水だけ」を補充した。つまり、底にほんの少し洗剤が残っていただけの状態で200ccほどの水を注いだわけだから、200倍ほどに希釈したことになる。
さて、その実験結果であるが、“2倍希釈”の洗剤が使いやすくなったのは当然のことながら、200倍に希釈した“洗剤”でも以前と変わらない“泡状洗剤”が出てきたのだった。それで食器を洗った感想(使用感)を調査したわけではないので、本当の検証はこれからなのだが、少なくとも、“洗顔フォーム”で感じたことは“食器洗い洗剤”にも適用できたるような気がした。
でも、気になる現象も発見した。あれから10日(実質上3回)しか使用していないはずなのに、(2倍希釈の)洗剤ボトルも泡立し用ボトルの方も、その中身はすでに半分ほどに減っていて、どちらも100cc程度使用したようだった。明らかにこれまでよりは減り方が激しい。おそらく、“出やすく”なった分だけ使用量が増えたのであろう。
これが良いことか悪いことかはともかくとして、“希釈効果”は確実に存在することは確証できたような気がする。